【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(15日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる15日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア国防省「黒海で米軍無人偵察機を探知 戦闘機を緊急発進」

ロシア国防省は15日、「黒海上空の空域でアメリカ空軍の無人偵察機グローバルホークが接近してくるのを探知した。ロシア空軍のスホイ27戦闘機を緊急発進させたところ、無人偵察機は引き返した」などと発表しました。

そのうえで「アメリカの無人偵察機の領空侵犯はなかった。ロシア軍の戦闘機の飛行は国際法に厳密に従い、安全対策も順守して行った」と主張しています。

ロシアがウクライナへの侵攻を続ける中、黒海のクリミア半島に近い上空ではことし3月、アメリカ軍が、ロシア軍の戦闘機から妨害行為を受けて偵察用の無人機が墜落したと発表し、これに対し、ロシア側はアメリカ軍の無人機の活動を批判するなど、双方がけん制し合う事態がたびたびおきています。

ウクライナ 南部や東部で市民の犠牲続く

ウクライナ南部ヘルソン州ではロシア軍が14日、教育施設や商店などに激しい攻撃を行い、2人が死亡、2人がけがをしたほか、15日の未明にも攻撃があり、けが人が出ていると地元当局がSNSに投稿しました。

また、東部のハルキウ州でもロシア軍による攻撃で一般の住宅が破壊され、2人が死亡、1人がけがをしたと地元の知事がSNSで明らかにするなど、一般市民の犠牲が増え続けています。

さらに南部ザポリージャ州の軍当局は、15日にロシア軍によるミサイル攻撃でインフラ施設に被害が出たと地元メディアに対して明らかにしました。

プーチン大統領 “ウクライナ軍の反転攻勢は完全に失敗した”

ロシアのプーチン大統領はロシア国営テレビのインタビューに応じ、その内容が15日、一部公開されました。このなかでプーチン大統領は「ウクライナ軍の反転攻勢は停滞しているのではなく完全に失敗した。ただ、ウクライナ側がそれぞれの場所で新たに積極的な攻撃作戦を準備していることもわかっている」と述べ、ウクライナ軍の反転攻勢への対応の準備ができていると強調しました。

そのうえで「われわれの軍は前線のあらゆる場所で陣地を改善している。非常に広範囲にわたってだ。それはクピヤンシク、ザポリージャ、そしてアウディーイウカでもだ」と述べ、激戦となっている東部のハルキウ州クピヤンシク、ドネツク州アウディーイウカさらに南部のザポリージャ州の戦線で、ロシア軍が有利になっていると誇示しました。

ウクライナ陸軍司令官「戦線がここ数日で著しく悪化」

ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は「東部のハルキウ州クピヤンシクからドネツク州リマンにかけての戦線がここ数日で著しく悪化している。敵はクピヤンシクを包囲しようとしている」としてロシア軍が攻勢を強めていると明らかにしました。

ウクライナ軍は南部ザポリージャ州で反転攻勢を続け、ロシア側が占領する拠点のトクマクの奪還を目指していますが、これに対し、ロシア軍は東部への攻撃を強化しているとみられます。