長野 飯山 高齢男性が死亡 わなにかかったクマに襲われたか

14日の朝、長野県飯山市の山林内で、わなにかかったクマの近くで高齢の男性が死亡しているのが見つかり、警察は、このクマに襲われたとみて調べています。

警察によりますと、13日夕方、飯山市に住む男性から、「イノシシのわなを見に行った知人の男性が帰らない」と通報がありました。

警察や猟友会などが捜索したところ、14日午前6時すぎ、飯山市旭の山林内でわなにかかったクマの近くで高齢の男性1人が倒れているのを見つけ、死亡が確認されました。

クマは体長1メートル30センチほどのツキノワグマのメスの成獣ですでに駆除されたということです。

警察は、男性の体にクマの爪痕とみられる傷が複数あったことなどからクマに襲われたとみて調べるとともに、亡くなったのはわなを見に行った男性とみて身元の確認を急いでいます。

駆除に立ち会った長野県のクマ対策員によりますと設置されていたのは「くくりわな」と呼ばれるもので、クマの後ろ足にワイヤーがかかっていましたが数メートルは動ける状態で、男性はクマの動ける範囲内に近づいてしまい襲われたとみられるということです。

クマ対策員の後藤光章さんは「ことしはクマが食べるどんぐりなどが少なく、柿の木などをねらってクマが山のふもと近くまで下りてきている」と話しています。

クマによる被害 過去最悪のペースに

環境省によりますと、ことし4月から9月までにクマによる被害にあった人は全国15の道府県で109人にのぼり、国が統計を取り始めて以降、最悪だった3年前の同じ時期を上回る過去最悪のペースとなっています。

さらに今月に入ってからも被害が相次ぎ、NHKが各地域局の取材をもとに集計したところ、これまでに20人を上回る被害が出ています。

例年、クマが冬眠に入る前のこの時期に被害が増える傾向があることから、国や自治体などが被害を防ぐ対策の徹底を呼びかけています。