ガザの人たちの支援を パレスチナ刺しゅう輸入の女性 呼びかけ

イスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突が続く中、現地の人たちを支援しようとパレスチナの伝統的な刺しゅう製品を輸入販売する滋賀県の女性が、協力を呼びかけています。

滋賀県守山市の北村記世実さんは、およそ25年前にボランティアで訪れたガザ地区で、パレスチナ刺しゅうと出会いました。

ひと針ずつ丁寧に手縫いされた美しい模様に魅力を感じたといいます。

そして、6年前からは国連のプロジェクトとして、ガザ地区の女性たちがつくった刺しゅう製品を輸入販売して、その売り上げで現地の人たちを支援しています。

ストールやポーチなどにクロスステッチと呼ばれる技法でバラや幾何学模様が描かれ、ガザ地区のおよそ300人の女性がこの刺しゅうで生計を立てているということです。

しかし、紛争が激化し、刺しゅうをつくる女性たちのうち安否が確認できたのは2人で、およそ300人の無事が確認できていないといいます。

北村さんは今月8日、安否が確認できたガザ地区の女性に「ガザの状況を心配しています。家族は安全ですか」とメッセージを送りました。

女性からは「状況はとても危険です。ロケットや爆弾がそこらじゅうにあります。ガザは安全ではないです」と返信がありました。

そして、14日「自宅が破壊された」と連絡があったということです。

北村さんはこの紛争が終わったときに女性たちの収入が途切れないよう刺しゅう製品の購入を通じた支援を呼びかけていて、今月22日にはオンラインイベントを開き、広く購入希望者を募ることにしています。

ストールやポーチなどの作品は、およそ6000円から3万円で購入でき、北村さんが運営するホームページから注文できます。

北村さんは「パレスチナ刺しゅうはガザの女性たちにとって生活の糧を得るだけでなく生きがいややりがいでもある。彼女たちの誇りであるパレスチナ刺しゅうを通して現地に思いをはせていただければ」と話していました。