10月14日は「鉄道の日」全国各地でイベント 懐かしい車両も

10月14日は「鉄道の日」です。「鉄道の日」は明治5年10月14日に日本で最初の鉄道が開業したことを記念して制定されました。

各地で催しが行われ、山口県では旧国鉄時代に山陽本線を走っていたころの「瀬戸内色」という配色にした電車が8年ぶりに運行されました。

山口 “瀬戸内色”の電車 8年ぶりに運行

「鉄道の日」に合わせてJR西日本ではクリーム色の車体に瀬戸内海をイメージした青いラインが入った「瀬戸内色」と呼ばれる配色の電車を8年ぶりに運行させました。

14日午前9時半にJR山陽本線の普通電車として山口県の下関駅を出発して岩国駅に向かい、午前10時42分に途中駅の山口市の新山口駅のホームに到着しました。

ホームでは待ちわびた鉄道ファンや家族連れなどおよそ30人が、「瀬戸内色」の電車を写真に収めたり車体を背景に記念撮影したりしていました。

「瀬戸内色」の電車は旧国鉄時代の1982年からJR発足後の2015年までおもに山口県や広島県で運行されていました。

今後は当面の間、山陽本線の下関駅と岩国駅の間で運行するということです。

北九州市から訪れ、下関駅から3歳の息子と一緒に乗車した母親は「思い出の電車にたまたま乗ることができて、うれしいです」と話していました。

岩手 盛岡 「SL銀河」車両の見学会

盛岡市の「盛岡車両センターSL検修庫」では14日の鉄道の日にあわせて、東日本大震災の被災地を元気づけようとJR釜石線で運行されていた「SL銀河」の車両を見学できるイベントが開かれました。

「SL銀河」は、盛岡市の公園に展示されていた蒸気機関車を震災の後、復興への願いを込めて復元し、2014年からJR釜石線で運行されてきましたが、老朽化などのため、ことし6月に運行を終えました。

イベントでは、事前に予約して参加した人たちが、汽笛を鳴らす様子や展示されているさまざまな種類のヘッドマークを撮影したり、実際に使われていた客席やソファーに座ったりして楽しんでいました。

家族4人で訪れた5歳の女の子は「かっこいいです」と話し、38歳の母親は、「子どもたちはSLが大好きで、また走ってほしいなと思います」と話していました。

また、2歳の男の子と訪れた31歳の母親は、「息子がSL銀河のラストランを見た時に一目ぼれして、今でも毎日おもちゃで遊んでいます。乗ることはできなかったのでいつか一緒に乗れたらいいなと思います」と話していました。

富山 黒部峡谷鉄道 トロッコ電車体験イベント

「トロッコ電車」の愛称で親しまれている富山県の黒部峡谷鉄道では黒部市にある宇奈月駅で記念のイベントが行われました。

このうち、使われなくなった鉄道部品の販売会では、鉄道の愛好家たちが、非常時に押すボタンや、運転士がブレーキをかける際に使うハンドルなどを次々と買い求めていました。

また、レールを枕木に固定するため専用のくぎを打つ体験会も行われ、参加した人たちは鉄道会社の従業員に教えてもらいながらハンマーを力いっぱい振り下ろしていました。

三重県から訪れた中学2年生の男子生徒は「くぎを打つのはハンマーが重くて大変でした。トロッコ電車は普段乗っている電車とは違い歴史を感じさせる雰囲気がかっこいいと思います」と話していました。

新潟 鉄道車両を組み立てる工程を見学

「鉄道の日」の14日、車両を組み立てる工程の見学などができるイベントが新潟市で開かれ、多くの鉄道ファンが訪れました。

このイベントは「鉄道の日」に合わせて新潟市秋葉区で開かれ、このうち「総合車両製作所」では組み立てられた車両がクレーンで運ばれる様子が公開されました。

長さおよそ20メートル、重さおよそ10トンの車両がつり上げられると、訪れた鉄道ファンはスマートフォンで撮影したりじっくり眺めたりしていました。

見学した3歳の男の子は「上に浮いていたのがすごかった。将来は貨物列車の運転士になりたい」と話していました。

またJR新津駅のホームには福島県の会津若松駅との間を走るSLの観光列車「ばんえつ物語」が停車し、訪れた人は車内で駅弁などを味わっていました。

JR新津駅の松田千春駅長は「新津ではいろいろなイベントが開かれているので、鉄道の町の魅力を感じてほしい」と話していました。

山形 JR山形駅で「鉄道まつり」

10月14日の「鉄道の日」に合わせて、JR山形駅では鉄道に親しんでもらおうと「鉄道まつり」が開かれ、家族連れなど大勢の人でにぎわいました。

会場のJR山形駅では、11のコーナーが設けられ、このうち、駅長の制服を試着できるコーナーでは、訪れた子どもたちが帽子と白い制服を身につけて写真を撮影していました。

ポーズを決めた8歳と5歳のきょうだいは「すごい素材だと思った」とか「楽しかった」などと笑顔で話していました。

また、ミニSLの乗車体験コーナーでは、10人ほどが乗れるミニSLに子どもたちが乗り、およそ50メートルの距離を笑顔で手を振りながら楽しんでいました。

乗車した4歳の男の子の母親は「息子は電車が好きなので、乗れてよかったです。この催しをきっかけに好きなことに夢中になってほしい」と話していました。

このほか、会場では全国各地の駅弁や鉄道グッズが販売され、鉄道ファンや家族連れなど大勢の人でにぎわっていました。