サッカー日本代表 強化試合 カナダに勝利 田中碧が2得点

サッカー日本代表は13日夜、新潟市でカナダと強化試合を行い、田中碧選手が2得点の活躍を見せるなどして4対1で勝ちました。

6月の強化試合から5試合続けて4得点以上で快勝

世界ランキング19位の日本は、13日夜、新潟市で強化試合を行い、世界44位のカナダと対戦しました。

(前列左)南野拓実選手がW杯以来の復帰

先発メンバーには、去年のワールドカップ、カタール大会以来の代表復帰となった南野拓実選手や9月のトルコとの強化試合で2得点をあげた中村敬斗選手が入りました。

日本は開始直後から相手ゴールに迫り、前半2分には相手がクリアしきれなかったボールを田中碧選手がペナルティーエリアの外から豪快に右足を振り抜き先制ゴールを決めました。

その後、ゴールキーパーの大迫敬介選手が相手選手と接触し、VARの結果、ペナルティーキックとなりましたが、好セーブを見せて得点を与えませんでした。

そして前半終了間際に相手のオウンゴールで1点を追加し、さらに直後には中盤でボールを奪って抜け出した浅野拓磨選手からパスを受けた中村選手が冷静に決めて3点をリードして前半を終えました。

田中碧選手 2得点の活躍

日本は、後半もボールをキープし、4分には鮮やかなパスワークから田中選手がこの試合2得点目となるゴールを決めて突き放しました。

日本は、終了間際に1点を返されましたが、ことし6月の強化試合から5試合続けて4得点以上をあげて4対1で勝ちました。

日本は今月17日に神戸市で世界29位のチュニジアと対戦します。

《監督・選手 試合後談話》

森保監督「勝ったからOKではなく どう勝ち切るか」

森保一監督は試合後の会見で「カナダがどのように戦ってくるかわからない中で、選手たちは相手に合わせるのではなく、主導権を持って戦うということをトライしてくれた」と評価しました。

その上で、今後の課題について「得点をあげたあとボールを奪って攻撃につなげられなかったのは反省点だ。世界のトップを目指す中ではもっと戦い方を改めないといけない。勝ったからOKではなく、どう勝ち切るか攻撃も守備も考えていきたい」と話していました。

2得点 田中碧「クオリティーはまだまだ」

2得点の活躍を見せた田中碧選手は「前半も後半も立ち上がりにゴールを決められたのはよかった。ペナルティーキックは与えたけどシュートを打たれた回数は多くなく試合を通してはよかったと思う。ただ、ボールを奪いに行く回数などクオリティーはまだまだで、反省を次に生かしたい」と話していました。また、次のチュニジア戦に向けて「どんな相手でも勝つことは評価しないといけないし一番評価されると思う。チュニジアには去年負けているのでしっかりと勝ちたい」と話していました。

伊東純也「ホームで多くのゴールを取って勝てたのはよかった」

先発した伊東純也選手は「ホームで多くの観客の前で多くのゴールを取って勝てたのはよかった。最初に1点を取ったあとにペナルティーキックを与えてしまった試合運びは反省点だが、そこから修正して守備から攻撃につなげたのはよかったと思う。個人としてもっと仕掛けられればよかったが、チームとして機能していたのでよかった」と話しました。また、フランスで同じクラブに所属し、日本代表4試合目で4点目となるゴールを決めた中村敬斗選手については「決定力があるし、ゴール前で落ち着いてシュートを打てるのでそういう形を作ることが大事だし、うまくゴールを取ってくれてよかった」と話していました。

W杯以来の代表復帰 南野拓実「個人的に結果にこだわりたかった」

去年のワールドカップカタール大会以来の代表復帰となった南野拓実選手は「チームとして勝利したのはうれしいが、個人的にはゴールやアシストといった結果にこだわりたかったなと思うし、今後の自分の課題だ」と振り返りました。その上で「次の試合も重要な試合なので、応援してくれるサポーターのためにも勝利を目指して頑張りたい」と意気込んでいました。

◆主軸不在でも それぞれの持ち味発揮 戦力の底上げ図れた一戦に

「誰かに依存するだけでなく、誰と組んでも戦術を共有できることが重要だ」

サッカー日本代表は、森保一監督のことばに選手たちがしっかりと応えてカナダとの強化試合に快勝しました。

象徴となったが、代表4試合目となった中村敬斗選手です。

南野拓実選手に祝福される中村敬斗選手(右)

今回の強化試合では、卓越したドリブルで攻撃の中心を担う三笘薫選手が体調不良で参加を見送り、中村選手が代わりに先発で起用されました。

先月のトルコ戦でも2得点をあげた23歳は伊東純也選手や浅野拓磨選手との連係を見せて前半から積極的に攻撃を仕掛けました。

そして、前半42分に、相手のボールを奪って攻め上がった浅野選手からのパスを受けて冷静にゴールを決めました。

後半、相手選手と接触があり、けがのため途中交代となりましたが、日本代表で早くも4点目をマークし、戦術の理解度の高さを証明しました。

森保監督は「1試合ごとに成長してくれている。チームの戦術を吸収してくれながら自分の良さを出すいいトライをしてくれている」と評価しました。

さらに、この試合では、南野拓実選手がワールドカップ以来の復帰を果たし得点こそなかったものの前線で巧みな連係を見せたほか、去年のワールドカップを直前のケガで欠場した中山雄太選手が左サイドバックとして復帰しました。

このうち中山選手は、体を張った献身的な守備と積極的な攻撃参加で、伊藤洋輝選手が、レギュラー争いをリードするポジションで存在感を示しました。

中山選手は「90分間出場できたことが素直にうれしくほっとしている。代表は応援もすごく感じる。自分ができることを最大限積み重ねていき1日1日を大事にしていきたい」と刺激を受けていました。

主軸がいない中でも若い戦力や代表復帰組がそれぞれの持ち味を発揮し、森保監督が求める、さらなる戦力の底上げを図れた一戦となりました。