ビッグモーター 34事業所を行政処分へ 国交省

ビッグモーターの保険金の不正請求問題をめぐり、国土交通省は立ち入り検査を行った34の事業所すべてに対し、車検業務の指定を取り消すなどの行政処分を行う方針を発表しました。来週、会社側から意見を聞く聴聞を行った上で、正式に処分する予定です。

ビッグモーターによる保険金の不正請求問題をめぐっては、国土交通省は、ことし7月、会社の特別委員会の報告書で、問題が指摘された34の事業所に対して立ち入り検査を行うなど、道路運送車両法に違反する点がないか調査を進めてきました。

調査の結果、多数の違反が確認されたとして国土交通省はビッグモーターの各事業所に対し行政処分を行う方針を固め、13日、その内容を明らかにしました。

それによりますと、立ち入り検査を行った34すべての事業所で、車の修理費用を水増し請求するなどの違反がみつかり、これら34の事業所に対し、車の整備業務を10日から90日停止する処分を行う方針だということです。

また、34の事業所のうち、車検業務も行える32の事業所では、必要な検査の一部を行っていなかったり、整備記録簿に虚偽記載をしたりするなどの違反があることがわかり、12事業所で車検業務の指定の取り消し、11事業所で20日から180日の業務の停止、9事業所で文書警告の処分を行う方針です。

国土交通省は今月20日に会社側から意見を聞く聴聞を行った上で、正式に処分する予定です。

また、立ち入り検査を行っていない101の整備工場がある事業所については引き続き、調査を続けるということです。

各事業所で多数の違反みつかる

今回の調査では、各事業所で多数の違反がみつかりました。

国土交通省によりますと、
▽車検の検査員資格を持たない従業員が行ったものを正式な検査として整備の記録に記す、虚偽の記載をしていたほか、
▽原因はわかっていないものの必要な作業項目が抜け落ちた作業依頼書に基づいて検査を行っていたことがわかったということです。

こうした結果、エンジンの動力をタイヤに伝えるクラッチなどの部品が検査されないまま車検が通っていました。

また、
▽契約に含まれていたオイルの交換を実際には行っていないにもかかわらず、交換の代金を含めて過大に請求していたり、
▽エンジンの積み降ろしをするための工具などがなく整備工場としての基準を満たしていなかったりする違反もあったということです。

ビッグモーター「処分内容受け止め再発防止に努める」

国土交通省が発表した行政処分の方針について、ビッグモーターの担当者は「お客様をはじめとする関係者に深くおわび申し上げます。処分内容を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めて参ります」と話しています。