“F1界のボス” 脱税疑いで約1200億円の追徴課税 英で有罪判決

自動車レースの最高峰、F1界のトップを長く務めたバーニー・エクレストン元CEOが、巨額の資産をイギリスの税務当局に適切に申告しなかったとして、日本円にしておよそ1200億円の追徴課税を受けたほか、裁判所から執行猶予付きの有罪判決を受けました。

エクレストン氏はレースドライバーやF1チームのオーナーなどを経て、F1を統括する組織のCEOを2017年まで40年間務め、2011年には、東日本大震災の影響で開催が危ぶまれた日本グランプリを三重県の鈴鹿サーキットで予定どおり開催し、被災者3000人を無料で招待しました。

F1を世界的なスポーツイベントに成長させ、みずからも巨額の財産を築きましたが、海外資産を適切に申告しなかったとして、脱税などの疑いでイギリスの税務当局が捜査していました。

ロンドンの裁判所は12日の判決で、エクレストン氏が当局に虚偽の説明をした詐欺の罪を認め、6億5000万ポンド余り、日本円にしておよそ1200億円の追徴課税を受けたことを明らかにしました。

その上で、エクレストン氏に禁錮1年5か月、執行猶予2年の有罪判決を言い渡しました。

検察は「どんなに裕福で有名であっても、すべての国民は資産の情報を税務当局に開示し、税金を納めなければならない」とコメントしています。