イスラエルとハマスの衝突 現地で支援行うNPOが報告

イスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突が続くなか、現地で支援を行っているNPOの職員などが参加する緊急のシンポジウムが開かれ、緊迫した現地の状況が報告されました。

シンポジウムは12日夜、東京外国語大学などがオンラインで開いたもので、中東情勢に詳しい東京大学の鈴木啓之特任准教授と、パレスチナで子どもたちへの学習支援などをしているNPOで現地事務所の代表を務める手島正之さんが登壇し、およそ400人が参加しました。

このうち、手島さんは現地スタッフの声として、電気や水などのライフラインや食料の確保がほぼ不可能なことや、携帯電話の電波塔が空爆で破壊され、通信状況が非常に悪くなっていることなどを報告しました。

そして、スタッフなどが撮影したガザ地区の現在の様子を写真や動画で紹介し、「ひっきりなしの空爆でどこが安全な場所かわからず、地区の外に逃げることもできない。スタッフも逃げ惑っている状況だ」と現状を話しました。

また、スタッフからは「『いままでありがとう』などと死を覚悟したメッセージがスマートフォンで送られてきている」と明かしました。

その上で、「分断をあおるような主張にくみすることなく、人道危機だという認識をもって、危機を回避しようという声をあげてほしい」と呼びかけていました。