エリザベス女王工学賞の授賞式に 佐川氏出席 ネオジム磁石開発

技術革新によって世界に恩恵をもたらした研究者を表彰するイギリスの「エリザベス女王工学賞」の授賞式がロンドンで行われ、最も強力な永久磁石とされる「ネオジム磁石」の開発に成功した佐川眞人さんがチャールズ国王からトロフィーを受け取りました。

エリザベス女王工学賞はイギリス政府が工学分野のノーベル賞を目指すとして創設したもので、12日、去年とことしの受賞者あわせて5人がロンドンのバッキンガム宮殿に招かれ、授賞式が行われました。

式には、去年選ばれた特殊鋼メーカー「大同特殊鋼」の顧問を務める佐川眞人さんも出席し、チャールズ国王からトロフィーを受け取りました。

佐川さんは最も強力な永久磁石とされる「ネオジム磁石」の開発に成功し、この磁石を使うことで小型で高性能なモーターが実現して、省エネ技術などの発展に貢献したことが評価されました。

佐川さんは授賞式の前にNHKのインタビューに応じ、「ノーベル賞に匹敵する大きな賞の授賞式に参加できるのは研究者として光栄でうれしい。今後は、次世代のEV=電気自動車のモーターに使われるような磁石に改良したい」と話していました。

また、日本の研究者を取り巻く環境については「すべての若手研究者が10年後に必要とされるテーマを探し、研究を続けられる体制が必要だ」と話していました。