イラン大統領とサウジアラビア皇太子 ガザ情勢など意見交換

イスラム組織ハマスとイスラエルによる攻撃の応酬が続く中、イランのライシ大統領とサウジアラビアのムハンマド皇太子は11日、電話で会談し、ガザ地区の情勢などをめぐり意見を交わしました。

両国の首脳が会談したのはことし3月に、7年にわたって断絶していた外交関係を正常化させることで合意して以降、初めてです。

会談について、イランの国営通信は「両首脳はパレスチナに対する戦争犯罪を終わらせる必要性について一致した」と伝えました。

ハマスを支援してきたイランとしては、サウジアラビアに対し、模索しているイスラエルとの国交正常化を断念するよう促すねらいがあるとみられます。

一方、サウジアラビアの国営通信によりますと、ムハンマド皇太子は「サウジアラビアは衝突がこれ以上拡大しないよう国際社会や周辺国と連絡を取り合っている。ガザでの人道状況が危機的であることに懸念を示し、民間人に対する攻撃に断固として反対する」と述べたということです。

サウジアラビアとしては、イスラエルとの間で国交正常化をめぐる交渉が行われているとされる中でも、パレスチナを支援する姿勢に変わりはないと強調した形です。