イスラエルとハマスの衝突 SNSで報道機関装う偽動画など拡散

イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が続くなか、イギリスの公共放送BBCのニュースを装った偽動画や、アメリカのホワイトハウスが出した声明であるかのように示した偽情報がSNSで拡散しています。メディアなどがこうした情報を否定していて、注意するよう呼びかけています。

イスラエルとハマスの衝突をめぐって、「ウクライナがNATOから供与された武器をハマスに売却していると、国際的な調査報道グループ『べリングキャット』が伝えた」とする偽動画が、旧ツイッターのXや通信アプリ「テレグラム」などで拡散しました。

この動画にはBBCのロゴが入っていますが、こうしたニュースが発信された事実はなく、BBCの記者が否定しているほか、ベリングキャットの創始者は「ロシア政府による偽情報なのか一般の人によるものかは分からないが、100%フェイクだ」とXに投稿しました。

ハマスとウクライナを結び付ける情報はほかにも拡散しており、ウクライナ国防省の情報総局はSNSで「ロシアが中東でウクライナの信用を失墜させるキャンペーンを行っている」などと批判しています。

また、ホワイトハウスの公式の声明と同じ形式を装って、「バイデン大統領がイスラエルに対する80億ドルの軍事援助を承認した」とする偽の文書がSNSで拡散しました。

しかし、ホワイトハウスのウェブサイトにはこの声明はなく、ホワイトハウスの報道担当者はAP通信に対して偽物であると否定しています。

イスラエルとハマスの衝突では偽動画などがSNSで多く拡散されていて、EU=ヨーロッパ連合の高官がXを所有する起業家のイーロン・マスク氏に対応策を打ち出すよう求めています。

SNSではニュースや公式発表に見える偽情報が拡散されることがあり、情報の出どころや、偽物であるという指摘を受けていないか確認することが重要です。