トヨタと出光が「全固体電池」の量産化へ 協業することで合意

トヨタ自動車と出光興産は、EV=電気自動車の今の電池よりも性能が高い次世代の「全固体電池」の量産化に向け、協業することで合意したと発表しました。両社は量産化に向けた実証を共同で行うほか、将来の事業化に向けた検討を進めるとしています。

発表によりますと、トヨタ自動車と出光興産は、EV向けの次世代の「全固体電池」の分野で協業することで合意したということです。

両社は数十人規模の作業チームを新たにつくり、出光が千葉県内の施設で手がける「固体電解質」と呼ばれる部材の実証プラントを活用して量産化に向けた実証を行うほか、将来の本格的な量産と事業化に向けた検討を進めるとしています。

全固体電池は、今の電池よりも充電時間を短縮し走行距離を伸ばすことが期待され、トヨタは、早ければ2027年にEVでの全固体電池の実用化を目指しています。

日産自動車も2028年度までに、ホンダも2020年代後半に、それぞれ実用化を目指すとしていて、EVの市場の獲得をめぐる世界的な競争が激しさを増す中、日本の自動車メーカー各社は実用化に向けた開発を急いでいます。

トヨタ 佐藤社長「大きな変化点になる技術の良さいかし開発」

トヨタ自動車の佐藤恒治社長は記者会見で「鍵を握るのが自動車産業とエネルギー産業の連携で、両社の力を1つにして日本発のイノベーションを実現していく」と述べました。

その一方で、佐藤社長は「車の総合的な魅力は、電池単体で決まるものではなく、全固体電池という大きな変化点になる技術の良さをいかして車の開発を進めていきたい」と述べました。

出光 木藤社長「日本の技術力の高さを世界に示したい」

出光興産の木藤俊一社長は、記者会見で「両社が技術を持ち寄って全固体電池の実用化を実現していく。協業で得られた技術を世界の標準として展開し、日本の技術力の高さを世界に示していきたい」と述べました。