パレスチナ ガザ地区で水食料不足 支援物資の搬入訴える 国連

イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が続くなか、ハマスが実効支配するパレスチナのガザ地区では水や食料などが不足し、人道状況が悪化しています。
国連のグテーレス事務総長は急きょ会見を開き、「迅速かつ、妨げられない人道支援がいま必要とされている」と述べ、人道支援物資の搬入を認めるよう訴えました。

イスラム組織ハマスが、イスラエル側に大規模な攻撃を開始して以降、攻撃の応酬が続いていて、死者の数は、イスラエル側で1200人、ガザ地区で1100人と、双方で2300人にのぼっています。

現地のメディアなどによりますとハマスが実効支配するパレスチナのガザ地区では、イスラエルによる報復作戦の影響で地区唯一の発電所が燃料不足で操業できなくなっているほか、水や食料なども不足し、人道状況が悪化しています。

国連のグテーレス事務総長は11日、急きょ会見を開き、「ガザ地区に燃料や食料、それに水など、命を救う重要な物資を持ち込むことを許可しなければならない。迅速かつ、妨げられない人道支援がいま必要とされている」と述べ、市民を保護し、人道支援物資の搬入を認めるよう訴えました。

また、国連WFP=世界食糧計画も声明を発表し、「私たちはできる支援をすべてしているが、ガザ地区にある食料など必要な物資はすぐにも底をつきそうだ。現地は壊滅的な状況だ」として危機感を示し、必要な物資を届ける方法を確保するよう訴えています。

一方、アラブの国と地域で作るアラブ連盟は、11日緊急の外相会議を開き、イスラエルとハマス双方を強く非難したうえで、「国際社会は暴力の連鎖が拡大しないよう、緊急かつ効果的な行動をとらねばならない」と訴えました。