G20財務相・中央銀行総裁会議開催へ 経済の減速リスクなど議論

G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が北アフリカのモロッコで現地時間の12日から2日間の日程で開かれます。ウクライナへの軍事侵攻の長期化や各国で続くインフレに加え、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突で世界経済の減速リスクが意識されるなか、各国が一致した姿勢を示せるかが焦点となります。

モロッコのマラケシュで開かれるG20の会議には、日本から鈴木財務大臣と日銀の植田総裁が出席します。

世界経済をめぐってはロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化や各国で続くインフレがもたらす影響に加え、イスラエルとイスラム組織ハマスの大規模な衝突をきっかけに原油価格の上昇などへの懸念もくすぶっています。

2日間の会議では、こうした世界経済の減速リスクのほか、途上国や新興国で深刻化する債務問題などについて議論が行われる見通しです。

G20の財務相・中央銀行総裁会議では、ウクライナ情勢をめぐる意見の対立で、6回続けて共同声明を発表できておらず、各国がどこまで一致した姿勢を示せるかが焦点となります。

またG20に先だって、日本が議長国を務めるG7=主要7か国の会議も開かれる予定です。

アメリカ議会の混乱によるウクライナ支援への影響も懸念される中、議長国の日本としては、G7としてウクライナへの揺るぎない支援を継続する姿勢を示したい考えです。

イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が世界経済に及ぼす影響について、財務省の神田財務官は、訪問先のモロッコで11日、記者団に対し「世界経済に対しては、エネルギー価格やマーケットに影響も出てきている。さまざまなリスクがあるが、影響がどう波及するのか見えないところもあり、注視したい」と述べました。