5000キロ以上離れた愛知とシンガポールで遠隔手術の実証実験

手術支援ロボットを使った遠隔手術の実証実験が愛知県の藤田医科大学と5000キロ以上離れたシンガポール国立大学の間で行われました。藤田医科大学は、遠隔で手術を支援し、高度な医療技術を広めていきたいとしています。

この実証実験は、愛知県豊明市にある藤田医科大学とシンガポール国立大学との間で9日から4日間の予定で行われ、国産の手術支援ロボット「hinotori」が使われています。

11日は、ロボット手術の第一人者で藤田医科大学の宇山一朗教授らが、シンガポール国立大学でロボットを操作し、5000キロ以上離れた藤田医科大学の手術台に設置された、人工の胃からがんを切除する手術を遠隔で行う様子が公開されました。

2つの病院は専用の高速回線でつながれ、宇山教授らは離れた場所からの操作に遅れがないかや、正確に動いているかを確認していました。

藤田医科大学は、今後、国内外で遠隔で手術を支援することで、高度な医療技術を広め、医療の質の向上に貢献していきたいとしています。

宇山教授は「実験が成功し、うれしく思っています。0.1秒くらいの遅延を感じたが、やっているうちに慣れていくので、特に大きな問題はなかった。今後はロボット手術の指導を遠隔で行っていきたい」と話していました。