“特養 仕切りなしでおむつ交換 性的虐待” 愛知 豊橋市が判定

愛知県豊橋市が運営する特別養護老人ホームが、間仕切りのない廊下で入所者のおむつを交換していた問題について市は、詳しいいきさつを調べた結果こうした行為が「性的虐待」にあたると判定しました。この施設では、ほかにも、必要なときにおむつの交換をしなかったり、入所者からの預かり金を流用したりしていたことが明らかになり、市は施設に改善を求めています。

豊橋市が運営する特別養護老人ホーム「つつじ荘」では、去年とことしの夏にエアコンが故障したため、入所者を廊下で生活させた際、間仕切りを設けずおむつを交換していたことが明らかになりました。

これを受けて、豊橋市と施設は、職員への聞き取りを行うなどしていきさつを調べ、11日、結果を公表しました。

それによりますと、去年とことし
▽合わせて7人の入所者に対し、間仕切りのない廊下でおむつの交換をした行為について「性的虐待」と判定したほか
▽ほかの職員も事実を把握しながら適切な対応をとらなかったとして「介護・世話の放棄・放任」に当たるとしました。

また、去年3月ごろに、紙おむつなどが不足したにもかかわらず購入を怠り、おむつを交換しなかったことなどが新たに判明し、こうした行為についても「介護・世話の放棄・放任」に当たると判定したということです。

さらに、5年前(2018年)からことし9月まで、入所者の日用品などを購入するための預かり金が不足した際、別の入所者の預かり金を一時的に流用していたことも明らかになり「経済的虐待」に当たる行為だとしています。

「つつじ荘」の大井英昭 所長は、記者会見で「私も含め、虐待に対する認識や意識が低くなっていた。全職員の意識改革を徹底していく」と述べました。

市は、施設側に、1か月以内に改善計画を提出するよう求めているほか、最終的な調査の結果がまとまり次第、愛知県に報告することにしています。