ハマスとイスラエルの衝突 Xで偽情報 EU マスク氏に対応求める

パレスチナのイスラム組織ハマスによる攻撃とイスラエル軍の報復作戦をめぐり、偽情報が旧ツイッターの「X」で拡散されているとして、EU=ヨーロッパ連合の高官はXを所有するイーロン・マスク氏に問題の解決に向け早急に対応するよう求めました。

旧ツイッターの「X」では、ハマスによるイスラエルに対する大規模な奇襲攻撃が起きた直後に「ハマスの戦闘員がイスラエルのヘリコプターを撃墜した」などとするコメントとともに、戦闘員が携行型ミサイルでヘリコプターを撃ち落とす様子を撮影したように見える動画が拡散するなど、偽情報だと指摘される投稿が相次いでいます。

事態を受け、EUでデジタル分野を担当するブルトン委員は10日、Xを所有する起業家のイーロン・マスク氏に対応策を打ち出し、EU側に伝えるよう文書で求めました。

この中でブルトン氏は「XがEU域内で、違法なコンテンツや偽情報の拡散に利用されている。武力衝突とは関係の無い古い画像やビデオゲームからの軍事的な映像が使われているという複数の報告がある。明らかに虚偽や、誤解を招く情報だ」と指摘しました。

そのうえで「違法なコンテンツの指摘を受けた場合には適宜対処し、取り除かなくてはならない。コンプライアンス違反が発覚した場合には罰金などを科す可能性がある」などと警告しています。

これに対して、マスク氏はXに投稿し「すべてをオープンソースにし、透明性を確保することがわれわれの方針であり、EUもこうしたことを支持しているはずだ。EUが指摘する、Xで広がっているとする違反を一般の人に分かるように示してほしい」とEU側に反論しています。