ミャンマー軍司令官の側近 汚職で終身刑

ミャンマーで実権をにぎる軍の司令官の側近が汚職に関わったとして軍法会議で終身刑を言い渡されました。経済の低迷により、市民が物価高騰に苦しむ中、軍内部の綱紀粛正を図るねらいがあるものとみられます。

ミャンマー軍の発表によりますと、2年前のクーデター以降に設置した最高意思決定機関「国家統治評議会」のメンバーで、汚職の疑いで逮捕されていたモー・ミン・トゥン氏に対する軍法会議が10日までに開かれ、輸入パーム油の販売に関して販売価格を意図的につり上げたほか、業者から賄賂を受け取り外貨を違法に所持していたなどとして終身刑が言い渡されました。

モー・ミン・トゥン氏は国外からの投資に許認可を与えるミャンマー投資委員会のトップを務め、クーデター以降実権をにぎるミン・アウン・フライン司令官の側近と言われています。

ミャンマーでは欧米による制裁などで経済が低迷する中、現地通貨チャットの下落が止まらず、物価が高騰して市民生活を直撃しています。

ミャンマー情勢に詳しい京都大学東南アジア地域研究研究所の中西嘉宏准教授は「モー・ミン・トゥン氏は次期最高司令官候補だったが、汚職の度が過ぎたのではないか。子飼いを切ることで、強い指導力を示し、軍内部の綱紀粛正を図るねらいがあるのではないか」と話しています。