イラン “ハマスに技術移転 大規模攻撃は支援の成果” 誇示

イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃についてイランの精鋭部隊の関係者はNHKの取材に対し、「技術移転によってミサイルや無人機を自分たちで作れるよう後押ししてきた」と述べ、イランによる支援の成果だと誇示しました。

イランの精鋭部隊、革命防衛隊で周辺国での作戦に関わってきた元司令官のキャナニモガダム氏は10日、首都テヘランでNHKの取材に応じました。

革命防衛隊がハマスに対して行ってきた軍事支援については「ガザ地区は完全に閉じられていて、どんな兵器やミサイル、それに、兵士も送れない」としながらも、「サイバー空間などを通じた技術移転や財政支援によって、彼らがミサイルや無人機を自分たちで作れるように後押ししてきた」と説明しました。

そのうえで、今回のハマスによる大規模攻撃について「これまでと異なり、高性能の無人機や防空システムをくぐり抜けるロケット弾が使われている。われわれの支援が間違いなく戦争の質に影響を与えている」と述べ、イランの支援によりハマスの兵器開発能力が向上した成果だと誇示しました。

一方で、ハマスの戦闘員たちが動力付きのパラグライダーを使って、ガザ地区を囲む壁を越え、イスラエル側に侵入したとされることなどについては「われわれも驚いている」と述べハマスが独自の戦闘方法を編み出しつつあるという見方を示しました。

米大統領補佐官 “イランの関与 情報を精査”

アメリカ・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は10日、記者会見で「今回の攻撃において、われわれは当初からイランが広い意味で共犯関係にあると言ってきた。彼らはハマスに資金や訓練、それに装備品を提供してきたからだ。そして、そのすべてがわれわれが目の当たりにしたことの一因になっている」と指摘しました。

そのうえで、「イランが攻撃を事前に知っていたのかや、計画を支援したり、攻撃を指示したりしたのかという点については確認できていない。われわれが持っている情報を精査している」と述べました。