日中関係「悪い」日本で10ポイント以上増 日中共同世論調査

日本と中国で行われた共同世論調査で、現在の日中関係を「悪い」と答えた人の割合が日本では10ポイント以上増えました。調査を行った団体は、福島第一原発の処理水の放出をめぐる中国側の一連の対応が、日本国民の反中感情を悪化させたと分析しています。

この世論調査は、日本の民間団体「言論NPO」と、中国の「中国国際伝播集団」が毎年共同で行っているもので、ことしは8月から先月にかけて実施され、両国で合わせて2506人が回答しました。

それによりますと、現在の日中関係について「悪い」「どちらかといえば悪い」と答えた人の割合は、日本では68.4%で、去年に比べて12.2ポイント悪化しました。

一方、中国で「悪い」「どちらかといえば悪い」と答えた人の割合は41.2%で、去年に比べて3.5ポイント増加しましたが、「良い」「どちらかといえば良い」と答えた人も、去年より12.2ポイント増加し29.7%でした。

また、相手国の印象について聞いたところ「良くない」「どちらかといえば良くない」と答えた人は、中国では去年より0.3ポイント多い62.9%とほぼ横ばいだった一方、日本では去年より4.9ポイント多い92.2%でした。

調査を行った「言論NPO」は、調査の期間が福島第一原発の処理水の放出や、その後の中国による水産物の輸入停止などと重なったとしたうえで「処理水に関する反発は中国では過熱せず、逆に日本国民の反中感情を悪化させる事態になった」と分析しています。