台湾 蔡総統 “対等な対話による平和的共存” 中国に呼びかけ

台湾当局が「建国記念日」と位置づける「双十節」の式典で、蔡英文総統は中国との関係について「現状維持」を強調し、対等な対話による平和的な共存を中国に呼びかけました。

「双十節」の式典は10日、台北の総統府前で行われました。

演説した蔡総統は「総統としての私の責任は、国の主権と2300万の台湾の人々の民主的で自由な生活様式を守ることだ」と述べました。

そして「平和が台湾海峡両岸の唯一の選択肢だ。現状維持をそれぞれの最大公約数とすることが、平和を確実に保つ鍵となる」としたほか、「どちらの側も一方的に現状を変更してはならず、両岸の立場の違いは平和的な方法で解決すべきだ」と述べました。

このように、蔡総統は「現状維持」を強調し、中国による武力行使も含めた「統一」を拒否するとともに、台湾が「独立」に動くこともないとアピールしました。

さらに、蔡総統は「台湾の民意のコンセンサスをもとに、対等と尊厳を前提とした民主的な対話のプロセスで、現状維持を核として、北京当局との間で双方が受け入れ可能な交流の基礎と平和共存の道を発展させたい」と述べ、台湾の民意を尊重した対等な対話による平和的な共存を中国に呼びかけました。

来年5月で任期が切れる蔡総統が「双十節」で演説するのはこれが最後で、2016年の就任以来の実績を列挙しながら「台湾に対する国際社会の支持は強くなるばかりだ」と誇りました。