鈴木宗男参院議員 維新が除名処分を決定 鈴木氏はみずから離党

ロシアを訪問した鈴木宗男参議院議員について、日本維新の会は除名処分にすることを決めました。これに対し、鈴木氏はみずから離党しました。

ロシアを訪れた鈴木宗男参議院議員について、先週、日本維新の会の国会議員団の役員会では、党側に必要な事前の届け出が行われなかった上、鈴木氏がウクライナ侵攻をめぐり現地で「ロシアの勝利を確信している」などと発言した動画が確認されたとして、厳しい処分を求める意見が出ていました。

そして党紀委員会は、党の規律を乱す行為があったとして、国会議員団から「除籍」処分とするよう藤田幹事長に答申し、日本維新の会は10日、持ち回りの常任役員会で、党から除名処分とすることを決めました。

これに対して鈴木氏は、面会した馬場代表と藤田氏から除名処分を伝えられる前にみずから離党届を提出し、受理されました。

このあと鈴木氏は記者団に対し「私はこれからもロシアと向き合っていかなければならず、ここで離党し自由な立場でものを言うことが自分と党のためになる」と述べ、無所属で活動する考えを示しました。

一方、藤田氏は記者会見で「鈴木氏は『党に迷惑をかけたので自分から身をひきたい』ということだった。除名せず離党届を受理したのは『甘い』と言う人もいると思うが、党を離れる大きな決断を受け入れた」と説明しました。

立民 岡田幹事長「鈴木氏の発言は適切なものと思えない」

立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で「基本的に日本維新の会の中の問題だと思うが、鈴木氏の発言の中身は一方的にロシアに寄り添ったもので、適切なものとは思えない」と述べました。

共産 小池書記局長「ロシアに行き、『勝利確信』は軽率」

共産党の小池書記局長は、記者会見で「他党のことなのでコメントは控えるが、政府が渡航中止を求めているロシアに行き、『ロシアの勝利を確信している』とインタビューで答えるのは軽率ではないか」と述べました。

国民 玉木代表「国会決議に反するなら問題視せざるをえない」

国民民主党の玉木代表は記者会見で「日本維新の会の内規に従って判断されるべきものだが、鈴木氏の発言が国会決議や政府の方向性に反するなら問題視せざるをえない。個人の政治信条は尊重するが、日本としての統一的なメッセージが揺らいでいると受け取られないようにするためには、何らかの対応が必要だ。議院運営委員会を中心に問題提起し議論してみたい」と述べました。