運動能力調査 男子19歳までの多くの年代で低下 コロナ禍影響か

子どもからお年寄りまでの体力や運動能力を調べるスポーツ庁の調査結果が公表され、昨年度、男子は6歳から19歳までの年代の多くで合計点が前の年度を下回っていることがわかりました。その背景について専門家は「コロナ禍で子どもの部活動などが制限され、影響を受けたのではないか」と分析しています。

全国の6歳から79歳までを対象にスポーツ庁が毎年行っている「体力・運動能力調査」は、握力や上体起こしなど6から8項目の体力テストのほか、運動習慣なども調べていて、昨年度はおよそ5万6000人が対象となりました。

その結果が8日公表され、体力テストの各項目を数値化して合計した「体力合計点」が、男子は19歳までの年代の多くで前の年度を下回ったことがわかりました。

前の年度を100%とした場合
▽9歳では98.4%
▽13歳では98.8%
▽16歳では97.1%
▽19歳では93.0%などとなっています。

19歳までの男子ではここ数年、低下が見られる年代があり、調査結果を分析した順天堂大学大学院の内藤久士教授は「運動部の子どもの割合が高く、とても運動をしている世代はコロナ禍で部活動が制限された影響を受けているのではないか」と話しています。

一方、平成25年度からの10年間で見ると、男女ともに多くの年代の合計点が横ばいか、向上傾向にあるものの、40代の女性は低下傾向が続いていて、この年代の女性は週に1日未満、かつ30分未満しか運動しない人が54%に上りました。

スポーツ庁は「スポーツを通じたライフパフォーマンスの向上を目指して、環境整備や普及啓発などに取り組みたい」としています。