千葉と茨城の記録的大雨から1か月 住宅などの復旧はまだ道半ば

千葉県と茨城県を中心に大きな被害が出た記録的な大雨から8日で1か月です。千葉県茂原市や茨城県北部など、被害が深刻な地域では住宅などの復旧はまだ道半ばで、県や各自治体は生活再建に向けた支援を続けることにしています。

茨城県・応急修理申請増える見通し

茨城県では水につかるなどの被害を受けた住宅は合わせて1600棟近くに上っています。

北茨城市、高萩市、日立市に災害救助法が適用されていて、行政が被災した住宅の修理費用を補助する「応急修理」の申請を受け付けています。

6日時点で申請を行った世帯数は、高萩市で52、北茨城市と日立市でそれぞれ20で、いずれの自治体の担当者も「申請する世帯数は今後も増える見通しだ」としています。

千葉県・茂原市は市の15%で浸水

千葉県は2300棟以上の住宅で浸水などの被害が出ていて、その7割以上が茂原市です。

県によりますと、茂原市内の浸水面積は先月末の時点でおよそ1400ヘクタールと市の面積のおよそ15%に達しています。

ただ、4年前の大雨の際と比べ、2割ほど狭くなっていて、県は調整池の増設など対策に一定の効果があったとみて、検証を進め、今後の治水対策などに反映させる方針です。

千葉県内でも住宅や商店、旅館などの復旧は続いていて、支援金の支給や、住宅の応急修理などの支援を進めることにしています。

支援団体が無料で車を貸し出す取り組みも

車の水没が相次いだ千葉県茂原市では暮らしへの影響が続いていて、支援団体が無料で車を貸し出す取り組みを行っています。

先月8日の記録的な大雨で茂原市では市内のおよそ15%が浸水し、およそ1700棟の住宅が被害を受けたほか、多くの車が水没し、今も生活への影響が続いています。

こうした中、宮城県石巻市の一般社団法人が、車が使えなくなった住民に無料で車を貸し出す支援を行っています。

7日は、あらかじめ申し込んでいた69歳の女性が訪れ、免許証の確認のあと車の使い方などの説明を受けていました。

女性は自宅が床上まで水につかったうえ、5年前に購入した車が水没して廃車になったということで、「足腰が悪いので買い物に行けず不自由でした。本当に感謝しています」と話していました。

協会にはこれまでにおよそ50人から申し込みがあり、順次、対応しているということです。

「日本カーシェアリング協会」の田辺伸章さんは、「申し込みが多くニーズの高さを感じている。少しでも早く貸し出せるよう取り組みたい」と話していました。

借りるには予約が必要で、電話番号は050-5482-3677、日曜日と祝日を除き、午前9時から午後4時まで受け付けているほか、協会のウェブサイトからも申し込みができます。