体操 世界選手権 南一輝がゆかで銀メダル 種目別決勝

ベルギーで開かれている体操の世界選手権は7日、男女の種目別の決勝が行われ、南一輝選手がゆかで銀メダルを獲得しました。

ベルギーのアントワープで開かれている体操の世界選手権は大会8日目の7日、男子3種目、女子2種目の種目別の決勝が行われ、男子は南選手と橋本大輝選手がゆかに、千葉健太選手があん馬、女子は宮田笙子選手が出場しました。

ゆかで予選4位の南選手は1番手で登場し、冒頭でF難度の「ルドルフハーフ」を決めると、2つ目のF難度「シライ2」も高さのある跳躍でしっかり決めるなど、出場選手の中で最も高い「Dスコア」をマークする難度の高い演技をこなし、14.666で2年ぶりとなる銀メダルを獲得しました。

予選6位の橋本選手は冒頭で、G難度の大技「リ・ジョンソン」の着地でラインオーバーのミスがあり、14.233と得点を伸ばせず7位でした。

金メダルは東京オリンピックでこの種目を制したイスラエルのアーテム・ドルゴピアト選手で14.866でした。

また、あん馬に予選6位で出場した千葉選手は、持ち味のテンポのいい旋回を見せましたが、14.200と予選の得点を上回ることができず6位でした。

金メダルはアイルランドのリース・マクレナガン選手で15.100で2連覇です。

このほか、女子の跳馬に予選7位で出場した宮田選手は1回目に高難度の「ユルチェンコ2回ひねり」を力強い跳躍で着地まで決めましたが、13.899で6位でした。

金メダルはブラジルのヘベカ・アンドラージ選手が技の出来栄えを示す「Eスコア」で高得点をマークし、14.750でした。

南「緊張していたがやるべきことができた」

南一輝選手は「金メダルをねらっていての2番で緊張していたが、やるべきことができた。最初の技はよかったし、『リ・ジョンソン』もまとめられたが、後半の技で着地が止まらなかったので改善していきたい」と振り返りました。

そのうえで、来年のパリオリンピックに向けて、「来年に向けていい経験ができた。来年は団体で金、ゆかで金、跳馬でもメダルを獲得したい」と決意を新たにしていました。

南一輝選手とは

南一輝選手は山口県出身の23歳。

小学2年生で体操を始めると、練習の中でトランポリンを多く跳んで抜群の空中感覚を養ってきました。

脚力と高さのある跳躍を武器に難度の高い技をこなし、全日本種目別選手権の「ゆか」で5連覇を果たしています。

「ゆか」のスペシャリストとして臨んだおととしの世界選手権では、ゆかで銀メダルを獲得しました。

ことし3月には、国際大会でG難度の大技「リ・ジョンソン」にひねりを半分加えた新たな技、「後方かかえ込み2回宙返り3回半ひねり」を初めて成功。

H難度の技と認定され、自分の名前の「ミナミ」と命名しました。

去年4月からはパリオリンピック出場を目指して団体での貢献度を上げるため、母校の仙台大学を拠点に跳馬にも取り組み、ことしの全日本種目別選手権で優勝するなど、ゆか以外の種目でも着実に力をつけています。