【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる8日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米シンクタンク “一進一退の攻防継続か”

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は7日、ウクライナ軍が南部ザポリージャ州の2つの方面と、東部ドネツク州の激戦地バフムト周辺で前進したという分析を示しました。

このうち、東部の前線についてウクライナ軍の報道担当者は7日、最大で300メートル前進したとしています。

ただ、戦争研究所は、同じ東部でも、ルハンシク州ではロシア軍が前進をしたという情報があるとしていて、一進一退の攻防が続いているとみられます。

ウクライナ エネルギー省“冬に向け発電能力強化する計画”

一方、ウクライナでは去年10月以降相次いだロシア軍による発電所や変電所などエネルギー関連施設への攻撃で、一時、深刻な電力不足に陥りました。

ゼレンスキー大統領は6日に公開した動画で、「この冬、ロシアは再びエネルギーシステムを破壊しようとするだろう」と述べ、ロシア軍が去年を上回る規模の攻撃を行う恐れがあるという見方を示しました。

こうした中、ウクライナのエネルギー省は7日、本格的な冬を前に国内での発電能力を強化する計画だと明らかにしました。

これまでに火力発電所の近代化や、ロシア軍の攻撃で損傷した電力設備の修理などを行っているとしていて、厳しい冬に向け、電力供給体制の強化を急いでいます。

プーチン大統領 71歳の誕生日 “勢力圏”の国々と緊密関係演出

ロシアはカザフスタンを経由してウズベキスタンに、パイプラインを通じて初めてロシア産の天然ガスを供給することになり、プーチン大統領は7日、首都モスクワ郊外で両国の大統領とともに記念式典に出席しました。

式典でプーチン大統領は「このプロジェクトは地域全体の経済発展やエネルギー安全保障の点で非常に重要だ。両国との戦略的なパートナーシップは今後も継続し、発展すると確信する」と述べて、さらなる関係の強化を強調しました。

7日、プーチン大統領は71歳の誕生日をむかえ、ロシア大統領府は同盟関係にあるベラルーシなど旧ソビエトの国々やキューバなど友好国の首脳から祝福が寄せられたと発表しました。

また、係争地をめぐって軍事行動を起こしたアゼルバイジャンと、敗北したアルメニアの両首脳ともそれぞれ電話会談し、意見を交わしたということです。

ウクライナへの軍事侵攻を続け、旧ソビエト諸国の間でもアルメニア政府がロシア離れの動きをみせるなど、影響力の低下がみられる中、プーチン大統領としては勢力圏とみなす国々との緊密な関係を演出した形です。

プーチン大統領は今月中旬、中央アジアのキルギスで旧ソビエト諸国の首脳らと会議を行う予定で、結束を強調する思惑があるとみられます。