将棋「竜王戦」第1局 藤井聡太七冠が伊藤匠七段に勝利

将棋の八大タイトルの最高峰「竜王戦」七番勝負の第1局が東京で行われ、今年度4つ目のタイトル防衛がかかる藤井聡太七冠(21)が、タイトル初挑戦の伊藤匠七段(20)に勝って初戦を白星で飾りました。

「竜王戦」七番勝負は東京 渋谷区で開幕し、2日目の7日は先手の伊藤七段が、6日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」から再開しました。

対局は初日に続いて攻め合いの展開となり、後手の藤井七冠は「飛車」を手放すものの相手の「角」を獲得し、バランスのとれた陣形で徐々に形勢を有利にします。

伊藤七段も最後まで攻めの姿勢を見せますが、藤井七冠が手堅い攻撃で相手玉を追い詰めると、午後5時2分、伊藤七段が82手までで投了し、藤井七冠が初戦を白星で飾りました。

藤井七冠は今年度「叡王」「棋聖」「王位」の3つのタイトルを防衛して「七冠」を維持し、「竜王戦」は今年度4回目となるタイトル防衛戦です。

唯一保持していない「王座」のタイトルをかけた「王座戦」五番勝負も並行して行われていて、史上初の八冠独占まであと1勝としています。

一方、3年前にプロ入りした伊藤七段は、藤井七冠と同学年で今回が初めてのタイトル戦です。

「竜王戦」七番勝負はことし12月にかけて日程が組まれ、次の第2局は、今月17日と18日に京都市で行われます。

両者コメント

対局のあと、勝利した藤井聡太七冠は「序盤から動きのある展開でこちらが押さえ込まれてしまいそうな局面が続き、中盤にかけては自信の持てないことが多かった。難しい将棋だったので、しっかり振り返って第2局に向けて準備をしていきたい」と話していました。

また、今月11日に京都市で行われる「王座戦」五番勝負の第4局に勝利すると史上初の八冠独占となることについて、「数日後の対局になるのでまずはコンディションを整えて気負わずに臨めればと思う」と話していました。

一方、今回が初のタイトル戦となる伊藤匠七段は「1日目に長考したときにおかしな手を指したと思っていて、そこから自信のない展開だった。すばらしい環境で指すことができたが、内容があまりよくなかったので、次の対局はもう少し熱戦にできるようにしたい」と話していました。