米軍元兵士 中国に国防情報提供しようとしたとして起訴

アメリカの司法省は、アメリカ軍の元兵士が国防に関する情報を中国に提供しようとしたとして、逮捕・起訴されたと発表しました。アメリカでは中国への軍事情報の漏えいが相次ぎ、関係機関が警戒を強めています。

アメリカ司法省は6日、西部ワシントン州のアメリカ軍の基地に勤めていた陸軍の元兵士が2020年2月ごろから7月ごろにかけて、国防に関する情報を中国に提供しようとしたとして、逮捕・起訴されたと発表しました。

元兵士は、2015年1月から2020年1月まで主に情報部隊の兵士として勤務し、最高機密の情報にアクセスしていたということです。

軍を除隊したあと、トルコにある中国領事館に接触し、その後、電子メールで中国の情報機関に軍事情報を提供しようとした疑いがあるということです。

また、安全措置が施されたアメリカ軍のネットワークに接続できる装置を所持していて、中国当局が接続できるよう、この装置も提供しようとした疑いがあるとしています。

司法省の高官は「国を守ると誓った元兵士が国防情報のみならず、敵対する国が国防総省のネットワークに接続できるよう支援しようとしたことは衝撃だ」と非難しました。

司法省はことし8月にもアメリカ海軍の兵士2人が中国に軍事情報を漏えいしたとして逮捕・起訴されたと発表していて、関係機関が中国への情報漏えいに警戒を強めています。