仏の高速鉄道 トコジラミ確認とするSNS拡散 政府が駆除を指示

フランスでは、害虫のトコジラミが公共交通機関の車内などで確認されたとする動画などがSNSで拡散し、来年のパリオリンピック・パラリンピックを前に影響を懸念する声が出ていて、政府が駆除に向けた対策を指示する事態となっています。

フランスのメディアによりますと9月から、害虫のトコジラミが高速鉄道TGVの座席で動き回る動画や、パリの地下鉄の車内で目撃したとする情報などがSNSで拡散し社会問題となっています。

南部のマルセイユなどでは、学校でトコジラミの発生が確認され、駆除作業のために一時的に閉鎖されるなど、来年のオリンピック・パラリンピックを前に影響を懸念する声が出ています。

トコジラミは、体長が5ミリから8ミリほどの「ナンキンムシ」とも呼ばれる害虫で、血を吸われると、強いかゆみを引き起こすのが特徴です。

こうした事態を受けて、フランス政府は4日、公共交通機関の関係者を集め、人的被害が出た場合の報告や、鉄道や地下鉄の車内で掃除や消毒の頻度を高めるなど、駆除に向けた対策を指示しました。

ボーヌ交通担当相は4日、地元メディアに対し「TGVの車内では、過去10日間に37件の目撃情報があったので調査したが、すべてトコジラミではなかった。公共交通の利用に危険はなく、フェイクニュースや過剰反応という側面もあるが、われわれはそれを軽視せず対策を取った」と述べ、冷静な対応を呼びかけました。