イタリア賞 NHKのプロジェクトが最優秀賞受賞

世界の優れたテレビ番組などに贈られる「イタリア賞」の発表が行われ、死にたい気持ちを抱えながらもその人なりの考え方で「死ぬ以外」の選択をする人たちを取り上げたNHKの「『わたしはパパゲーノ』プロジェクト」が最優秀賞に選ばれました。

「イタリア賞」は、イタリアの公共放送「RAI」が主催し、優れたテレビやウェブ作品などを選ぶ世界で最も権威ある国際コンクールの一つです。

75回目のことしは、9つの部門であわせて266作品の審査が行われ、日本時間の7日未明、イタリア南部のバーリで授賞式が行われました。

このうちウェブサイトやアプリ、SNSなどを駆使したノンフィクションのオンライン作品を対象とする「デジタル・ファクチュアル部門」で最優秀賞のイタリア賞にNHKの「『わたしはパパゲーノ』プロジェクト―死にたい、でも、生きてる人の物語―」が、選ばれました。

「パパゲーノ」とは、死にたい気持ちを抱えながらその人なりの理由や考え方で「死ぬ以外」の選択をしている人たちを、モーツァルトのオペラ「魔笛」の登場人物になぞらえた呼び方です。

このプロジェクトでは、「パパゲーノ」の人たちへのインタビュー動画や体験談を特設サイトで共有したり、5年間の取材を元にした特集ドラマを放送したりして、「死にたい」気持ちを否定せず、「死ぬ以外」の道を選ぶ人たちの多様な生き方を示すことで、1日1日を生き延びることにつながる場作りを目指しています。

選考理由について、「RAI」は、「さまざまな視点による効果的な制作によって社会に大きな影響を与えた。死にたい気持ちという難しいテーマに取り組む制作者たちの仕事ぶりを後押ししたい」としています。