体操 世界選手権 女子個人総合決勝 岸里奈が日本勢トップ11位

ベルギーで開かれている体操の世界選手権は6日、女子個人総合の決勝が行われ初出場の16歳、岸里奈選手が日本勢トップの11位でした。

ベルギーのアントワープで開かれている体操の世界選手権は大会7日目の6日、4種目の合計で争う女子個人総合の決勝が行われ、日本からはいずれも初出場で16歳の岸選手と、畠田千愛選手が出場しました。

予選25位の岸選手は、最初の種目のゆかでH難度の大技「シリバス」を決めたものの、ミスが出て12.900でした。

続く跳馬は、高難度の「ユルチェンコ2回ひねり」で高さのある跳躍を見せて13.800と高得点を出し、この時点で10位に順位を上げました。

岸選手は、最後の平均台でふらつく場面もありながらも持ち味の柔軟性と脚力を生かした演技で演技の出来栄えを示す「Eスコア」で8点台をマークするなど、初出場ながら落ち着いた演技を見せ、4種目の合計53.199で11位でした。

一方、補欠から繰り上がって代表入りした予選26位の畠田選手は、大きなミスのない演技で51.865で17位でした。

金メダルは、アメリカの26歳、シモーネ・バイルズ選手で、みずからが持つ大会通算の金メダル獲得数の記録を21個に伸ばしました。

岸里奈「日本ではありえない環境 すごく幸せ」

岸里奈選手は、「最初のゆかでミスがあったが気持ちを切り替えて最後まで落ち着いた演技ができたのがとてもよかった。日本ではありえない環境で演技してすごく幸せで、その楽しさを教えてもらえていい経験となった」と話していました。

その上で来年のパリオリンピックに向けて「こういう盛り上がりの中で演技ができて、プラスになったし、来年に向けていいスタートが切れた。オリンピックに出場するだけでなく、いい演技ができるようにしていきたい」と意気込んでいました。

また、畠田千愛選手は、「自分がやるべきことができた。課題も見つかりいい経験になった。テレビで見てきた選手と戦えてとても楽しかった」と話していました。

バイルズ 圧巻の演技で金メダル獲得

東京オリンピックの体操女子でメンタルヘルスの問題を訴え、個人総合の決勝を欠場するなど問題に一石を投じて注目を集めた体操女子アメリカのエース、シモーネ・バイルズ選手が今大会で国際大会に復帰し、個人総合で金メダルを獲得してみずからが持つ大会通算の金メダル数の記録を21に伸ばしました。

バイルズ選手は、強じんなバネと優れたバランス感覚で子どもの頃から圧倒的な演技を見せ、16歳で初出場した世界選手権で2つの金メダルを獲得するなどこれまでに男女通じて最多の19の金メダルを獲得してきました。

19歳で初めて出場したリオデジャネイロオリンピックではあわせて4つの金メダルを獲得しています。

東京オリンピックでは「1年間の延期や無観客での開催などいろいろな要素が重なって非常にストレスがたまっていた」などとして団体決勝の一部の演技を見送ったほか、「メンタルヘルスの問題に集中するため」と個人総合の決勝を欠場しました。

しかし、その後、種目別の平均台の決勝に出場して銅メダルを獲得するなど、その姿からさまざまな議論が起こり、アスリートのメンタルヘルスの問題に一石を投じました。

バイルズ選手は、東京オリンピックのあと、3大会ぶりに世界選手権に復帰しました。

最初の跳馬は、高難度の技を飛距離と高さのある跳躍で見せ、着地も完璧に決めて15.100をマークしたほか、最後のゆかでも高難度の技を次々に決めると会場から大きな歓声が上がりました。

バイルズ選手は、3種目でトップをマークし、合計58.399と2位に1.633の差をつける圧巻の演技を見せ、団体に続いて個人総合で金メダルを獲得しました。