昆虫の生息域拡大か 噴火で生物いなくなったとみられた西之島

大規模な噴火により一時、生物がいなくなったとみられていた小笠原諸島の西之島で、環境省の調査で去年、生息が確認された昆虫が別の場所でも見つかり、生息地域が拡大している可能性があるとして詳しく調べることにしています。

小笠原諸島の父島の西、およそ130キロにある西之島では10年前(2013年)から噴火活動が活発になり、およそ4年前の大規模な噴火で島全体が溶岩や火山灰に覆われて生物がいなくなったとみられていました。

しかし、環境省が毎年、陸地や周辺の海域で行っている生態調査で、「ヤニイロハサミムシ」という噴火前から島に生息していた昆虫が去年の調査で見つかり、さらに、ことしの調査で去年とは別の場所でも見つかったということです。

環境省は生息地域が拡大しているとみて、今後、より広い範囲を調べることにしています。

一方、繁殖が確認されていた海鳥の「カツオドリ」の個体数が去年の5分の1と大幅に減っていることがわかり、火山灰が降り続いている影響で繁殖の成功率が低くなっているのではないかと指摘しています。

環境省は、今回採取した生物を詳しく調べるとともに、今後も調査や分析を続けることにしています。