【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(7日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

日本とウクライナ 2国間文書作成で初交渉 安全保障などで協力

日本とウクライナの両政府は、安全保障上の取り決めなどを通じ、長期にわたる支援を明確にするための交渉を立ち上げるとしたG7=主要7か国の共同宣言に基づき、2国間文書の作成に向けた交渉を開始することで一致していました。

その1回目の交渉が7日オンラインで行われ、日本からは外務省の中込欧州局長、ウクライナからはジョウクヴァ大統領府副長官が出席しました。

この中で日本側は、安全保障面での協力や支援については、憲法や法律に沿って行っていくという基本的立場を伝え、文書には安全保障分野のほか復興や経済などの分野での具体的な協力内容が盛り込まれるとみられます。

ウクライナ東部へのミサイル攻撃 集落の様子

ロイター通信やAP通信は、5日のミサイル攻撃で50人以上が亡くなったウクライナ東部ハルキウ州クピヤンシク近郊の集落の様子を詳しく伝えています。

それによりますと、集落では、戦地で亡くなり故郷に遺体が埋葬されることになった兵士を追悼するため、数十人がカフェに集まっていたところに攻撃があったということです。

この兵士の妻や子どもなども犠牲になったほか、300人ほどが暮らす小さな集落では、ほとんどの住民が家族や親族などを亡くしたとみられるということです。

AP通信によりますと、住民たちは、この集落には軍事施設などはなく、カフェに集まっていたのも一般の市民だけだったと話しているということです。

アメリカのCNNは、今回の攻撃について、一度の攻撃の死者としては去年4月、60人以上が死亡した東部ドネツク州クラマトルシクの鉄道駅への攻撃以降もっとも多い惨事になったと伝えています。

“ロシア海軍が黒海沿岸に海軍基地” ロシア有力紙

ロシアの有力紙「イズベスチヤ」は5日、ロシア海軍が、隣国ジョージアでロシアが一方的に独立を承認している地域、アブハジアの黒海沿岸に海軍基地を設置することになったと伝えました。

4日にプーチン大統領と会談したというアブハジアの指導者が「近い将来、ロシア海軍の基地を設置することで合意した。双方の防衛能力を強化するのが目的だ」とイズベスチヤに対して明らかにしたということです。

ロシアは2008年のジョージアとの武力衝突のあと、アブハジアがジョージアから独立することを一方的に承認し、ロシア軍の部隊も駐留させています。この報道を受けてジョージア外務省は5日、「国家の主権と領土保全に対する重大な侵害であり、新たな挑発的な試みだ」と非難する声明を発表しました。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は5日、「部隊や艦船の配置については国防省の管轄でありコメントする立場にない」と述べるにとどまりましたが、長引くウクライナ侵攻を受けて、みずから勢力圏とみなす旧ソビエト諸国との溝も生じる中で、影響力の維持を図るねらいもあるとみられます。

プーチン大統領 ウズベキスタン大統領と会談

ロシアのプーチン大統領は6日、首都モスクワで、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領と会談しました。

会談の冒頭、プーチン大統領は「両国関係は非常に順調に発展している」と述べ、2国間の密接な関係を強調しました。

会談後、両首脳は、政治、貿易、文化、それに安全保障分野において協調していくとした共同声明に署名し、連携強化を強調しました。

7日には、ロシアからウズベキスタンに、初めてパイプラインを通じて天然ガスが供給されるということで、プーチン大統領は「中央アジア全体のエネルギー安全保障の確保が目的だ」と述べて、ロシアの存在感をアピールしました。

プーチン大統領がみずからの勢力圏とみなす旧ソビエト諸国の間では、アルメニア政府が隣国アゼルバイジャンとの係争地をめぐるロシアの対応に対する不満から、ロシア離れの動きを強めるなど、影響力の低下が鮮明となっています。

プーチン大統領は来週、中央アジアのキルギスで開かれる旧ソビエト諸国でつくるCIS=独立国家共同体の首脳会議に出席する予定で、各国との会談などを通じて結束を強調する思惑があるとみられます。

ウクライナ東部 ミサイル攻撃で市民50人以上死亡 国連も調査

ウクライナ第2の都市、東部ハルキウで6日朝、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、地元の当局によりますと、3階建ての住宅1棟が破壊され、集合住宅2棟が被害を受けたということです。

ハルキウ州の知事によりますと、この攻撃で、68歳の女性と10歳の孫が死亡したほか、生後11か月の乳児を含む28人がけがをしたということです。

ウクライナのゼレンスキー大統領はSNSに「子どもが殺された。10歳だった」と投稿し、遺族に弔意を表すとともに「ロシアによるテロだ」と非難し対抗していく必要性を訴えました。

東部ハルキウ州では、前日の5日、クピヤンシク近郊の集落にあるカフェが攻撃され、戦死した兵士の追悼のために集まっていた市民など少なくとも52人が死亡したばかりです。

プーチン大統領71歳に 大統領選に立候補の場合83歳まで続投も

ロシアのプーチン大統領は7日で71歳になります。来年3月の大統領選挙に立候補した場合、最も長くて83歳まで続投することも可能で、いつ態度を表明するのか関心が集まっています。

大統領選挙を巡って有力紙の「コメルサント」は10月3日、大統領府に近い情報筋の話として、プーチン大統領は11月上旬に首都モスクワで始まるイベントで立候補を表明する可能性があると報じ、独立系メディアの「メドゥーザ」は、政権側はすでにプーチン大統領の得票率の目標を80%以上に設定したと伝えています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は9月「プーチン大統領が立候補すれば、現段階で対抗できる人物がいないことは明らかだ」と述べています。

プーチン政権としては、ウクライナへの軍事侵攻が長期化する中、大統領選挙を通じて、国民が大統領のもとに結束していると印象づけたいねらいもあるとみられ、プーチン氏がいつ選挙に向けた態度を表明するのか関心が集まっています。