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バレーボール男子 日本がパリオリンピック出場権獲得 五輪予選

バレーボール男子のパリオリンピック予選大会は7日、第6戦が行われ、世界ランキング4位の日本は世界7位のスロベニアにストレートで勝って対戦成績を5勝1敗とし、グループの2位以内を確定させて、2008年の北京大会以来の自力でのオリンピック出場権を獲得しました。

バレーボール男子のパリオリンピック予選大会は、世界ランキング上位の24チームが8チームずつ3つのグループに分かれて総当たりで対戦し、各グループの上位2チームにオリンピックの出場権が与えられます。

ここまで4勝1敗の日本は7日に都内で行われた第6戦で、同じく4勝1敗のスロベニアと対戦しました。

ストレートで勝てばオリンピックの出場権を得られる日本は第1セット序盤、サーブなどにミスが続いて最大5点のリードを奪われる展開となりました。

それでも13対16と3点差に追い上げると、キャプテンの石川祐希選手のサービスエースやバックアタックなどで5連続ポイントを奪って逆転し、25対21で取りました。

第2セットも西田有志選手の強烈なスパイクなどで25対22で連取し、第3セットは点を取り合う展開のなか、13対14から高橋藍選手のサービスエースが立て続けに決まるなどして、5連続ポイントを奪って勢いに乗り、その後も得点を重ねました。

このセットを25対18で取った日本はストレート勝ちで対戦成績を5勝1敗とし、グループの2位以内を確定させて、8日の最終戦を待たずに来年のパリオリンピックの出場権を獲得しました。

バレーボール男子の日本代表は、おととしの東京大会では自国開催で29年ぶりに予選リーグを突破し7位に入りましたが、自力でオリンピック出場権を得るのは2008年の北京大会以来4大会ぶりです。

キャプテン 石川祐希「メダルを狙えるチームになったと思う」

キャプテンの石川祐希選手は「今シーズンはこの大会でオリンピックの出場権を得ることが最大の目標で、みんなプレッシャーを感じていたなか、達成できてほっとした気持ちとうれしい気持ちがある」と話しました。

そのうえで、「パリオリンピックでメダルを狙えるチームがこの予選で勝ちきってくると思っているので、そういった意味では自分たちもメダルを狙えるチームになったと思うし、また1つステージが上がったと思っている。オリンピックでメダルを取ることが目標だとチームに声をかけていきたいし、また気を引き締めて課題に向き合っていきたい」と話していました。

西田有志「自分を鼓舞してきた」

西田有志選手は「きょうはストレートで勝てばオリンピックの出場権を得られるということをあまり考えず、やるべきことをやるだけだと考えていた。それでも第1セットの最初は固くなってしまったが、そこから自分たちがやってきたバレーを出せて勝ち切れたことはすごくうれしく思う」と話しました。

そのうえで、「バレーボールはふだん注目されることが少ないスポーツだが、今回、これだけ注目されて応援してもらって本当に感謝している。今大会で結果を出さないといけないと強く思っているなかで、2試合目でつまづいて難しい感情になっていたが、自分を信じないと潰れると思いながら自分を鼓舞してきたので、それが結果につながってよかった」と話していました。

フィリップ・ブラン監督「目標は常に更新していく必要がある」

バレーボール男子日本代表のフィリップ・ブラン監督は「期待されていたとおり夢をつかんで、すばらしいバレーボールができたと思う。今大会で出場権を得ることを第1の目標にしていたので、それを達成できてみんなに感謝したい」と選手たちをたたえました。

そのうえで、「東京オリンピックはベスト4を目標としていたが、目標は常に更新していく必要があるものだ。パリオリンピックではさらにその上を目指したいし、技術的にもメンタル的にも日本にもメダル獲得の資格があると思う」と話していました。

“歴代最強” 大きな期待を背負って…

4大会ぶりに自力でのオリンピック出場を決めた日本ですが、強豪になったゆえの苦しみがありました。

バレーボール男子の日本代表は、キャプテンの石川祐希選手を中心に実力のある選手がそろい、ことし7月の国際大会『ネーションズリーグ』では3位に入ったことから“歴代最強”とも言われ、大きな期待を背負って今大会に臨みました。

しかし、初戦で格下のフィンランドを相手に2セットを先取したところから勝ちはしたものの、フルセットまで持ち込まれると、続く第2戦では同じく格下のエジプトにまさかの敗戦を喫し、序盤で大きくつまずきました。

7日の試合後、中心選手の1人の小野寺太志選手が「東京での開催、多くの応援、オリンピックがかかっていること、それぞれがプレッシャーを感じていて焦りがあったと思う」と振り返ったように、期待が大きい分、重圧となってプレーが受け身になっていたといいます。

エジプト戦の翌日、選手だけでミーティングを行いました。

キャプテンの石川選手を中心に選手全員が集まり、それぞれが2試合を終えて感じたことを率直に語り合いました。

およそ40分間の選手だけの時間。

そこで多くの選手から出たのが「悪い部分、できていない部分ではなくて、ポジティブな部分にもっと目を向けよう」ということばだったといいます。

これをきっかけに選手たちのメンタリティーは大きく変化し、コートでは劣勢の場面でも前向きな声かけが増えました。

7日の試合でも、パリオリンピックの出場権獲得のためには1セットも落とせないなか、第1セット、サーブのミスなどが続いていきなり最大5点のリードを許す展開となりましたが、キャプテンの石川選手を中心に前向きな声をかけ合い、終盤に逆転してストレート勝ちにつなげました。

石川選手は「大会を通じて“心の強さ”の面は課題として出たと思うが、2戦目に負けてからミーティングを経てチームが1つになったと思うし、また1つ強いチームになれたという実感がある」と話しました。

大きな重圧をはねのけ、4大会ぶりに自力でのオリンピック出場をつかんだ日本。

実力に加え、精神的にも成長し、パリの舞台に挑みます。

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