三木証券に一部業務停止命令 リスク判断能力ない人に株式販売

数分前の会話を覚えていないといった顧客の様子から、リスクを判断する能力がないと認識していながら高齢者に対してリスクを十分に説明せずに外国の株式を販売したとして、関東財務局は、東京の証券会社「三木証券」に対して、1か月間、一部の業務を停止する命令を出しました。

行政処分を受けたのは東京 中央区に本店がある三木証券です。

関東財務局によりますと、この会社は3年前から去年にかけて70代から90代の少なくとも18人の高齢者に対し、リスクについて十分な説明をせずに外国の株式を販売したとしています。

この会社の社員は、販売にあたって会話がかみ合わなかったり数分前の会話を覚えていなかったりするといった顧客の様子からリスクを判断する能力がないと認識していたということです。

関東財務局によりますと、会社では経営陣から支店長に対して収益達成への過剰な圧力がかけられていたほか、赤字体質から脱却するため社長が主導してコンプライアンス部門の人員を削減していたということです。

関東財務局は、顧客の知識や経験、それに財産の状況などに照らして不適当な勧誘を行ったことは投資家保護に欠け、金融商品取引法に反するとして、外国株式の新規の販売勧誘など一部の業務を6日から1か月間停止する命令を出しました。

また、業務改善命令を出して、経営陣を含む責任の明確化などを求めています。

三木証券は「行政処分を厳粛に受け止め、深く反省するとともに、全社員が法令順守意識の再徹底を含む再発防止に努めてまいります」とコメントしています。