辺野古工事 国訴え明らかに“20日までに審理 速やかに判決を”

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古での地盤改良工事をめぐり、国は県の代わりに工事を承認する「代執行」に向けて起こした訴えの詳細を明らかにしました。10月20日までに弁論を開いてその日のうちに審理を終え、その後、速やかに工事の承認を命じる判決を出すべきだとしています。

アメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古沖では、埋め立て予定地で軟弱な地盤が見つかり、国が地盤の改良工事を行うため設計の変更を申請しましたが、県が「不承認」としたため工事が進んでいません。

この工事をめぐり、国は県に代わって承認を行う代執行に向けて5日、福岡高等裁判所那覇支部に裁判を起こし、訴えの詳細を6日、明らかにしました。

それによりますと、国は去年4月に大臣が県に承認するよう行った「是正の指示」のあと、工事を承認していないことは県が対応を怠っているとしたうえ、ほかの方法で是正を図ることが困難だとしています。

また、辺野古沖の埋め立て工事が遅れることは「国の安全保障と普天間飛行場の固定化の回避という重要課題に関わり、著しく公益を害することは明らかだ」として地方自治法に基づく代執行の要件を満たしていると主張しています。

そのうえで、国が設計の変更を申請してから3年以上がたっていることやすでに最高裁判所で国の是正の指示が適法だとする判断が示されていることなどから10月20日までに弁論を開いてその日のうちに審理を終え、その後、速やかに工事の承認を命じる判決を出すべきだとしています。

県による承認の期限は判決を受け取った翌日から3日以内とするよう求めています。

一方、沖縄県の玉城知事は5日、国が訴えを起こしたことについて「内容について訴状が届いたらどんな主張ができるか検討したい」と述べています。

沖縄 玉城知事 “みずから弁論に立つ”

国が県の代わりに工事を承認する「代執行」に向けて起こした訴えの詳細が明らかになったことについて、沖縄県の玉城知事は6日夜、記者団の取材に応じ「内容については、しっかり読み込んでいないが、これからわれわれが何を訴えていくのか考えていかなければならない。今月20日まで時間がないので、私は従来から訴えてきていることを中心に辺野古の問題、沖縄の置かれている現状を伝えなければならない」と述べました。

また記者団が「知事みずから弁論に立つのか」と質問したのに対し、玉城知事は「私がしっかり発言することでこの深刻な状況が日本全国にも広がりかねないということを訴えていきたい」と述べました。