タイ 保育施設襲撃事件から1年 遺族など犠牲者に祈りささげる

タイで銃を持った元警察官の男が保育施設を襲撃し、多くの子どもを含む36人が死亡した事件から、6日で1年となり、遺族などが犠牲者に祈りをささげました。
タイでは今月3日にもバンコク中心部で銃撃事件があり、タイ政府は、銃規制を強化する方針を示しています。

去年10月、タイ東北部ノンブアランプー県の保育施設を銃と刃物を持った元警察官の男が襲撃し、昼寝をしていた24人の子どもを含む36人が死亡しました。

事件から1年となる6日、現場の保育施設前で法要が行われ、参列した遺族など300人余りが手を合わせて犠牲者に祈りをささげました。

事件を受けていまは子どもの受け入れは停止しているということですが、施設そのものは当時のまま残されています。

4歳の双子の孫を亡くした祖父は「いまも悲しみが続いています。いつも孫たちのことを考えています」と話していました。

タイでは、民間人が保有する銃が2017年時点で1000万丁余りと、東南アジア諸国の中で最も多いとされていて、今月3日にも首都バンコク中心部の大型商業施設で銃撃が起き2人が死亡するなど、銃を使った事件が相次いでいます。

タイ政府は、オンラインでの銃の販売に制限を設けるなど銃規制を強化する方針を示しています。

子どもを失った遺族からは銃規制の強化を求める声

事件で子どもを失った遺族からは銃の規制を強化するよう求める声が聞かれました。

3歳の孫のクリサナポーンくんを亡くした祖母のトンジャイさんです。

トンジャイさんたちが住む集落では、都市部に長期間、働きに出ている親にかわって多くの祖父母が孫を保育施設に通わせながら育てていたということです。

トンジャイさんは、クリサナポーンくんのお気に入りだった車のおもちゃを今も大事にとっているということで「たった1人の孫でした。今もいつも孫のことを考えて恋しく思っています」と話していました。

また、タイで銃を使った事件が相次いでいることについて「悲しいです。なぜ繰り返し同じような事件が起きているのか疑問です」と話し一刻も早く銃規制の議論が進み規制が強化されるよう訴えていました。