石川 流しそうめん食中毒 892人に 帰省時期と重なり患者増か

ことし8月、石川県津幡町にある流しそうめんの店で発生した食中毒の患者が892人に上ることが県の調査で分かりました。
患者は18の都府県で確認されていて、帰省客が多いお盆の時期と重なったことが患者が増えた原因とみられるということです。

ことし8月中旬、石川県津幡町にある飲食店「大滝観光流しそうめん」で食事をした少なくとも93人が下痢や腹痛などの症状を訴える食中毒が発生し、その後、石川県の調査で、流しそうめんなどに利用する湧き水から食中毒の原因となる細菌「カンピロバクター」が検出されました。

県によりますと、これまでに店を利用した1298人から相談が寄せられ、保健所が調査を進めたところ、食中毒の患者は1歳から80代までの892人に上るということです。

このうち22人が一時入院しましたが全員回復し、重症の患者はいませんでした。

患者は18の都府県で確認されていて、帰省客が多いお盆の時期と重なったことが患者が増えた原因とみられ、県内で確認された食中毒の患者の数としては平成以降、最多となりました。

石川県は今回の食中毒を受けて、井戸水や湧き水を使う飲食店に、年に1回以上の水質検査の実施の徹底を求める通知を出し、再発防止に向け衛生指導の強化を図るとしています。

店を運営する「大滝観光」は会社のホームページで、患者への損害賠償の支払いを進めているとしたうえで、支払いを終えた時点で廃業することを明らかにしています。