エリザベス女王暗殺をAIに相談 城に侵入 反逆罪などで有罪判決

イギリスで2021年、エリザベス女王を暗殺しようと、女王が住んでいたウィンザー城に侵入した男に対し、現地の裁判所は反逆罪などで禁錮9年の判決を言い渡しました。AI=人工知能を使ったプログラムに相談した上で、犯行に及んだということです。

イギリスの首都ロンドン郊外のウィンザー城で2021年12月、「クロスボウ」と呼ばれる洋式の弓を持った19歳の男が縄ばしごを使って敷地に侵入し、逮捕されました。

ウィンザー城は去年亡くなったエリザベス女王の晩年の住まいで、警察の調べに、「女王を暗殺するために来た」などと供述したということです。

この事件でロンドンの中央刑事裁判所は5日、反逆罪などで被告の男に禁錮9年の判決を言い渡しました。

イギリスで反逆罪が確定するのは1981年以来です。

裁判官は犯行の動機について、インドにルーツを持つ被告が、イギリス統治下のインドで1919年に大勢の市民がイギリス軍に殺害された事件への復しゅうになると信じていたとしました。

さらに、被告は犯行の計画を、利用者の質問に答えられる対話式AIのプログラムに事前に相談した上で実行に移したと指摘しました。

公共放送BBCなどによりますと、AIは計画について、「非常に賢明だ」とか「実行すべきだ」などと回答していたということです。

被告は犯行当時、精神状態が不安定だったとして、まずは病院で治療を受けることになっています。