中国外務省 2回目の処理水放出に声明「断固として反対」

東京電力が5日から福島第一原子力発電所にたまる処理水の2回目の放出を始めたことについて、中国外務省は声明を発表し、「一方的な放出に断固として反対する」と非難しました。

東京電力は福島第一原発にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を、基準を下回る濃度に薄めた上で、ことし8月から9月にかけて1回目の海への放出を行い、5日から2回目の放出を始めました。

これを受け、中国外務省は5日夜、声明を発表し、これまでと同様、「核汚染水」という表現を使って、「日本の一方的な核汚染水の放出に断固として反対する」として、2回目の放出の開始を非難しました。

その上で、「日本政府は近隣諸国と誠実な態度で十分協議し、責任ある方法で核汚染水を処理すべきだ。国際社会は長期的かつ効果的な国際モニタリング体制の確立を推進し、近隣諸国など利害関係者の適切な参加を確保すべきだ」としています。

中国政府は処理水の放出が始まって以降、日本産の水産物の輸入を全面的に停止しているため、日本から中国への輸出が大幅に減り、産地では影響が広がっています。

一方、中国国内では国内で水揚げされる水産物の消費も落ち込んでいるとみられ、現地の水産関係者から懸念の声も上がっています。