会計士不足で金融庁 大学授業で “監査の仕事の魅力”呼びかけ

企業の会計が適切かを調べる監査の業務を担う会計士が不足する中、金融庁は、将来の人材確保に向け、大学の授業で監査の仕事の魅力を呼びかけました。

この授業は、金融庁が5日、東京 渋谷区の青山学院大学で行いました。

企業の会計が適切かを調べる監査の仕事は、対象となる上場企業が増えた一方、監査法人に勤める会計士がこの10年間、ほぼ横ばいの1万3000人余りにとどまり不足しているうえ、繁忙感の強さなどから仕事を辞める人が多いことが課題となっています。

授業では、金融庁の講師が監査の業務について、株式市場で投資家を守るために独立した立場で行う重要な仕事だと説明しました。

そのうえで、監査の経験を積むことでスタートアップの上場を支援する業務や、企業買収などのアドバイザリー業務に携わる会計士も多く、業務の幅が広がることが仕事の魅力だと呼びかけました。

会計士を目指す学生の1人は「会計士の仕事が幅広いことがわかり、資格の取得に向けて勉強を頑張りたいです」と話していました。

金融庁は、今後も全国各地でこうした授業を行うことを検討していて、授業を行った金融庁公認会計士・監査審査会の松井隆幸会長は「監査を行うことで財務書類の信頼性を確保していくことは、資本市場のインフラだ。経済社会の発展のために不可欠な仕事なので、監査の仕事に従事する人が増えてほしい」と話していました。