「キャリア警察官」民間からの中途採用開始へ 警察庁

県警本部長や警察庁の幹部など、警察組織の中枢を担ういわゆる「キャリア警察官」について、警察庁は、民間からの中途採用を始めることになりました。サイバー技術の知識や高い語学力を持つ人材などを獲得し、複雑・多様化する犯罪に対処していきたいとしています。

国家公務員のかつての「1種試験」、現在の「総合職試験」に合格し、警察庁に入庁した警察官は、いわゆる「キャリア警察官」として、各地の県警本部長や警察庁の幹部などを務め、警察組織の中枢を担います。

これまで中途採用の制度はありませんでしたが、警察庁は来年度、民間で勤務歴のある職員の採用を行う方針を固め、来月から募集を始めることになりました。

受験資格は、
▽警視となる課長補佐級が大学または大学院を卒業後、職務経験が7年以上、
▽警部となる係長級は2年以上の人が対象で、書類選考のあと、論文や面接試験を実施します。

国家公務員の総合職の志望者は、減少傾向が続いていて、各省庁が民間の人材の採用に力を入れていますが、警察庁はこれまで、若い職員が、現場経験を重ねる必要性などを重視して、中途採用を実施してきませんでした。

サイバー技術の知識や高い語学力を持つ人材を獲得し、複雑・多様化する犯罪に対処していきたいとしています。

警察庁の露木康浩長官は5日の記者会見で、「警察の実務を身につけながら、民間での職務経験で得た知見や能力を強みとして生かしてもらえると期待している。困難な治安課題に立ち向かっていく志と情熱を持った方々に、積極的に応募していただきたい」と述べました。