参院徳島高知選挙区補選 告示 2人が立候補 与野党対決の構図に

議員の辞職に伴う参議院徳島高知選挙区の補欠選挙が5日告示され、2人が立候補しました。与野党が対決する構図となっていて、選挙結果は岸田総理大臣の政権運営や衆議院の解散戦略に影響を与えることも予想されます。

参議院徳島高知選挙区の補欠選挙に立候補したのは、届け出順に、次の2人です。
▼無所属の元参議院議員で衆議院議員も務めた広田一氏(55)
▼自民党の新人で公明党が推薦する元高知県議会議員の西内健氏(56)

自民党の西内氏を公明党が推薦する一方、立憲民主党と共産党、それに国民民主党と社民党の地方組織が無所属の広田氏を支援しています。

選挙戦では、物価高騰対策や人口減少対策、それに岸田政権の評価などをめぐって論戦が交わされる見通しです。

今回の補欠選挙と今月10日に告示される衆議院長崎4区の補欠選挙は、いずれも与野党が対決する構図で、選挙結果は岸田総理大臣の政権運営や衆議院の解散戦略に影響を与えることも予想されます。

投票は、衆議院長崎4区の補欠選挙と同じ今月22日に行われ、即日開票されます。

参議院徳島高知選挙区の補欠選挙は、自民党に所属していた前議員が秘書に対する暴行の責任をとり辞職したことに伴うもので、与野党が対決する構図となっています。

自民党は元高知県議会議員の西内氏を擁立し、公明党が推薦しています。

これに対し、元参議院議員の広田氏が無所属で立候補し、立憲民主党と共産党、それに国民民主党と社民党の地方組織が支援しています。

広田一氏は「政治を変えるということは税金の使い方を変えることだ。徳島の皆さん、高知の皆さんの声は、自民党1つの声ではないんだ。もっと多様な声があるんだ。それを国政に届けるという当たり前の政治を皆さんと一緒に実現したい」と訴えました。

西内健氏は「農林水産業や商工業、これらの社会を支えてきた人々の暮らしを守るのが今回の戦いだと思っている。人々の生活を守るために地方の声をしっかり届けていかなければならない。選挙戦を最後まで一丸となって戦い抜かせてほしい」と訴えました。

岸田首相 “重要な国政選挙 必勝を期して全力”

西内氏を擁立した自民党の総裁、岸田総理大臣は5日午後、東京都内で記者団に対し「参議院徳島高知選挙区と衆議院長崎4区の補欠選挙は、いずれも重要な国政選挙であり、必勝を期して全力を尽くしていきたい」と述べました。

また、今回の勝敗ラインについて、「どちらも大事な選挙であり、政党として、いずれの選挙も必勝を期して臨んでいきたい」と述べました。

公明 北側副代表 “政治運営にも影響 勝利を”

西内氏を推薦している公明党の北側副代表は記者会見で「投票が行われるのは臨時国会の最中の見通しであり、結果は、その後の政治運営にも影響を与えると思う。衆議院長崎4区の補欠選挙とあわせて勝利できるよう、頑張っていきたい」と述べました。

立民 泉代表 “政治への信頼取り戻す戦い”

広田氏を支援する立憲民主党の泉代表は、記者団に対し「政治への信頼を取り戻す戦いだ。燃料代や物価の高騰で生活苦が生まれており、岸田政権が地域を活性化できなかった2年間を問わねばならず、勝利したい。選挙結果は岸田総理大臣が、衆議院を解散するかしないかに影響するのではないか」と述べました。

共産 小池書記局長 “岸田政権に対する審判の選挙”

広田氏を支援する共産党の小池書記局長は、NHKの取材に対し「聞く耳を持たない岸田政権に対する審判の選挙になる。市民と野党の共闘の再構築につながることを期待する」と述べました。

国民 玉木代表 “地域の関係性での連携容認”

地方組織が広田氏を支援する国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「県連レベルで自主的に支援したいと報告を受けており、尊重したい。地域の関係性で連携することは容認する」と述べました。