アメリカ下院議長 解任 後任めぐる動きが共和党内で活発に

アメリカ議会下院で多数派を占める共和党内では、政府の予算案をめぐる対立で議長を解任されたマッカーシー氏の後任の議長選びに向けた動きが活発になっています。

アメリカ議会下院では多数派を占める共和党内で保守強硬派の議員が政府の予算案をめぐるマッカーシー下院議長の対応に反発して解任動議を提出し、3日、採決の結果、マッカーシー氏は史上初めて議長を解任されました。

これを受けて後任の議長選びに向けた動きが活発になっていて、4日、下院で共和党ナンバー・ツーの院内総務を務め、有力な議長候補の1人として名前の挙がるスカリス下院議員が立候補の意向を表明し、党内の議員に支持を呼びかけました。

また、保守強硬派の議員グループの創設メンバーのジョーダン下院議員も立候補する意向を表明しました。

ジョーダン議員は、バイデン大統領が次男のハンター氏のビジネスに不正に関わっていたなどとされる疑惑を激しく追及するなど、大統領の弾劾に向けた調査を主導しているほか、ウクライナ支援に反対する立場を示しています。

新たな下院議長は、今後の議会運営やウクライナ支援などを含む予算案の協議の行方にも影響を与える可能性があり、共和党内の議長選びに向けた動きに注目が集まっています。

バイデン大統領「互いを敵視 やめなければならない」

バイデン大統領はマッカーシー氏が下院議長を解任されたことをめぐり、4日、会見で「ワシントンの悪意に満ちた空気を変えなければならない。われわれの間には意見の大きな隔たりがあるが互いを敵視するのはやめなければならない」と述べました。

そのうえで来月半ばにはつなぎ予算の期限が切れるとして「やらなければならないことがたくさんあり、国民もわれわれが成し遂げることを望んでいる」と述べてウクライナ支援などを含む予算案の可決を急ぐよう求めました。