イギリス スナク首相 高速鉄道 建設計画を縮小 費用高騰理由に

イギリスのスナク首相は、日本の新幹線も参考に進められている高速鉄道の建設について、費用の高騰を理由に縮小することを発表しました。スナク首相は来年にも行われる総選挙を見据え変革を推し進める姿勢を打ち出していますが、交通の大動脈として計画された鉄道の見直しには賛否が分かれています。

イギリスの主要都市を最高時速360キロで結ぶ高速鉄道「HS2」の計画は2009年に発表され、首都ロンドンから中部バーミンガムに向かう第1期が建設中で、車両の製造や保守を日本の日立製作所のグループ会社などが受注しています。

第2期では、さらに北のマンチェスターなどとを結ぶ予定でしたが、インフレの影響もあり建設費用がかさみ続け、総額1000億ポンド、日本円で18兆円を超えるとも試算されていました。

スナク首相は4日、マンチェスターで開かれた保守党大会で「HS2は時代遅れの合意の、究極の例だ」と述べ、第2期の着工はせず、代わりに地方の交通網の整備を進める方針を明らかにしました。

スナク首相は先月、ガソリン車などの新車販売を禁止する期限を2035年まで先送りするなど、過去の保守党政権が決めた政策を相次いで覆し、変革を推し進める姿勢を強調しています。

背景には、イギリスで再来年1月までに行われる総選挙に向け、支持率で大きくリードする最大野党・労働党に対して巻き返す狙いがありますが、ロンドンと地方の経済格差を解消する交通の大動脈として計画された鉄道の見直しには、保守党内でも賛否が分かれています。

日立製作所のグループ会社「いまの時点で契約変更ない」

建設中の第1期の計画で鉄道車両の製造などを受注している日立製作所のグループ会社は「鉄道車両を第1期の計画に納入する契約は、いまの時点では変更はない。引き続き車両プロジェクトの完遂に注力していく」としています。