アルメニア フランス外相が軍事支援を表明 欧米側に接近へ

フランスのコロナ外相は3日、係争地をめぐって軍事行動を起こしたアゼルバイジャンに敗北したアルメニアを訪れ、軍事支援を行うことを表明しました。アルメニアもロシアとは離れて欧米側に接近する動きを強めています。

フランスのコロナ外相は3日、係争地をめぐって軍事行動を起こしたアゼルバイジャンに敗北したアルメニアを訪れ、パシニャン首相などと会談しました。

現地で記者会見を行ったコロナ外相は「アルメニアの主権と領土の保全に脅威を与えるいかなる試みに対してもフランスは注意を払っている」と述べた上でアゼルバイジャンによる脅威を受けているとして軍事装備品の供与など支援を行うことを表明しました。

アルメニアは、アゼルバイジャンが軍事行動を起こした際もロシアが役割を果たさなかったとして不満を強めていて、プーチン大統領に対して逮捕状を出しているICC=国際刑事裁判所への加盟に向けた動きまで進めるなどロシアとの亀裂が深まっています。

一方、アルメニアは、アメリカと合同軍事演習を行ったほか、パシニャン首相は5日から「ヨーロッパ政治共同体」の首脳会議が開かれるスペインを訪れると明らかにするなど、同盟関係にあるロシアとは離れて欧米側に接近する動きを強めています。

ウクライナ侵攻を受けてロシアと対立する欧米側もアルメニアとの関係を強化したいねらいとみられます。

アゼルバイジャン大統領 アルメニア首相との会談取りやめ

アゼルバイジャンの国営通信社は4日、アリエフ大統領がアルメニアのパシニャン首相との会談への出席を取りやめると報じました。

会談は、アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフをめぐる軍事行動で先月アリエフ大統領が勝利宣言したあと、情勢の安定化に向けてEU=ヨーロッパ連合やフランス、ドイツなどが調整していました。

会談は、5日からスペインで開かれる「ヨーロッパ政治共同体」の首脳会議にあわせて行われるとみられていました。

アゼルバイジャンの国営通信社は、アリエフ大統領が出席を取りやめる理由について、EUなどヨーロッパ側がアゼルバイジャンに対して批判的な対応をとっているとしたほか、同盟関係にあるトルコ側の代表が会談への同席を認められなかったことを挙げています。

これに対し、現地のメディアによりますと、アルメニアのパシニャン首相は4日、「会談が行われないことは残念だ」と述べたうえで、自身はスペインに向かい、関係国と会談する考えを示したということです。