秋田 美郷町 作業小屋に20時間以上居続けたクマ3頭 けさ捕獲

4日の朝から秋田県美郷町で畳をつくる作業小屋の中に20時間以上にわたって居続けた3頭のクマについて、町は5日朝に捕獲しました。

秋田県美郷町では4日朝から畳をつくる作業小屋に3頭の親子とみられるクマが入り込み、20時間以上にわたって室内に居続けました。

町では4日夜、クマが逃げ出さないように小屋の戸やシャッターを閉めるとともに、クマを誘い込むため外した一部の戸の部分に餌を入れた2つのおりを設置しました。

そして、5日午前6時すぎに警察などが現場を確認したところ、2つのおりに3頭のクマがそれぞれ入っているのが確認され、午前7時半ごろに安全のため町内の山へおりごと移しました。

このあと町や県などが協議を重ねた結果、クマを山に放すと再び人が住む地域に戻ってくるおそれがあるとして、町は猟友会に依頼し、午前11時前に3頭のクマを駆除しました。

美郷町は「今回クマが出没した場所は認定こども園も近く、住民の命と安全を守る観点からやむをえない対応だった」としています。

秋田県内ではことし、クマによる人への被害が過去最多の30人に上っていて、県はクマを集落に寄せつけないため、屋外に生ゴミを捨てたり放置したりしないよう呼びかけているほか、各自治体に対しては人への被害や農業被害のおそれがある場合には、速やかにクマを捕獲・駆除するよう求めています。

畳店の男性「まさか中に入ってくるとは思わず」

クマが1日近く居続けた秋田県美郷町の畳店で働く72歳の男性がクマが捕獲されたあとに報道各社の取材に応じました。

男性は3頭のクマが小屋の外で歩いているのを目撃しましたが、小屋の中に入ってきたことに気付かず周囲の人に声をかけられてクマがいることを知り急いで小屋の外に出て戸を閉めたということです。

男性は、「小屋の外を歩くクマの姿を目撃したが、まさか中に入ってくるとは思っていなかったです」と振り返りました。

そのうえで「クマが捕獲されて安心していますが、雪が降るまではまだ油断できないです」と話していました。