辺野古地盤改良工事 玉城知事“4日までに承認は困難”

沖縄県のアメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古での軟弱地盤の改良工事について、沖縄県の玉城知事は、国が承認するよう「指示」した期限となっていた4日までに承認するのは困難だと国に回答しました。

アメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古での軟弱地盤の改良工事をめぐって、県が国と争った裁判では、9月に沖縄県の敗訴が確定し、県には工事を承認する義務が生じていて、国が承認するよう「指示」を出した期限は4日までとなっていました。

期限が近づく中、玉城知事は3日夜、県庁で幹部らと協議を行いましたが、結論は出ず、4日も午後3時半ごろに県議会が終わったあと幹部を集めて協議を行いました。

そして午後5時ごろ、記者団に対し、「判決内容を精査したうえで対応を検討する必要があり、県民や学者などから、さまざまな意見が寄せられていて、県政の安定的な運営を図るうえで、こうした意見の分析を行う必要がある。本日まで協議を重ねた結果、判断に至ることができなかった」と述べ、4日までに承認するのは困難だと国に回答したことを明らかにしました。

工事を承認するかどうかをめぐっては、県庁内で司法の判断には従わざるをえないなどとして、承認すべきだという意見がある一方、玉城知事を支える県議会議員や支持者などからは、4年前の県民投票で7割を超える反対の民意が示されているなどとして、承認しない姿勢を貫くべきだという意見が強く、玉城知事は難しい判断を迫られていました。

玉城知事が期限内に工事を承認しなかったことから、国は近く裁判を起こして、国が県の代わりに承認を行う「代執行」に向けた手続きを進めるものとみられます。

このことについて玉城知事は、国が近く裁判所に提出するとみられる訴状の内容を精査して、今後の対応を検討したいとしています。

市民団体「承認しないで」

沖縄県のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事をめぐって、国が承認するよう「指示」した期限が4日までとなる中、移設工事に反対する市民団体が集会を開き、沖縄県の玉城知事に承認しないよう求めました。

4日正午すぎ、県庁前の広場で行われた集会には、移設工事に反対する国会議員や県議会議員、それに労働組合ののぼり旗を持った人など50人ほどが集まりました。

集会では、主催した沖縄平和運動センターの前底伸幸 共同代表が「私たちは、辺野古を止めるために、座り込みやあらゆる集会を行い、国の横暴を止めるために県民が立ち上がりここまで来た。最後まで辺野古新基地建設阻止を県民総意のもと工事を止めるという決意で、知事を支えていこう」と述べました。

会場では「玉城デニー知事がんばろう!」と書かれた横断幕を持つ人の姿も見られ、参加した人たちは知事を後押しするためだとして、最後に「頑張ろう」と声を上げていました。

岸田首相「普天間飛行場の一日も早い移転に努力続ける」

岸田総理大臣は4日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「国土交通大臣において今後、適切に対応していくことになる。世界で最も危険と言われる普天間飛行場を一日も早く移転させ、県民の安心につなげていくため、引き続き努力を続けていきたい」と述べました。