旧ソビエトのアルメニア プーチン氏に逮捕状出したICCに加盟へ

旧ソビエトのアルメニアの議会は3日、ICC=国際刑事裁判所の加盟に必要なローマ規程を批准しました。ICCはウクライナへの軍事侵攻をめぐりプーチン大統領に対して逮捕状を出していることからアルメニア側の決定をロシアは批判していて、両国の亀裂が深まっています。

アルメニアのメディアによりますと、アルメニア議会は3日、ICC=国際刑事裁判所の加盟に必要なローマ規程の批准について、賛成多数で可決しました。

ICCはことし3月、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領に対して逮捕状を出していて、アルメニアが今後、ICCに加盟すれば、プーチン大統領が入国した際に、逮捕や引き渡しの請求に応じる義務を負うことになります。

ロシアとアルメニアは同盟関係にあります。ただ、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地のナゴルノカラバフをめぐって先月、アルメニア側が敗北し、アルメニア政府は、ロシアが役割を果たさなかったとして不満を強めています。

ICCをめぐるアルメニア側の動きに対して、ロシア大統領府のペスコフ報道官は3日に「不適切な決定だ」と批判し、アルメニア政府に説明を求めていくと強調しました。

ロシアは、アルメニアが欧米に接近しているなどと批判も繰り返し、両国の亀裂が深まっていて、旧ソビエトを勢力圏とみなすロシアの影響力の低下が鮮明となっています。