【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

“ウクライナ軍のクリミア上陸を阻止”ロシア国防省

ロシア国防省は4日、黒海の海域で、ウクライナ南部クリミア半島の西側の岬に向かうウクライナ軍の部隊を発見し、ロシア空軍が上陸を阻止したと発表しました。

この部隊は、高速で移動する軍用ボート1隻と水上バイク3台によるものだったとして「クリミアに侵入する企ては失敗に終わった」と主張しています。

ロシア国防省は3日には、ロシアの防空システムがクリミア沖の黒海上空でウクライナの対艦ミサイル「ネプチューン」を撃墜したと発表しています。

ロシア側の発表に対して、ウクライナ側は反応を示していませんが、ウクライナ軍はこのところ、クリミアにあるロシア軍の施設への攻撃を強めています。

一方、ウクライナ軍の参謀本部は4日、南部ザポリージャ州の主要都市メリトポリや東部ドネツク州の激戦地バフムトに向けて反転攻勢を続け、一部では部分的な成功を収め、ロシア側に打撃を与えたと発表しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は3日の分析で、ザポリージャ州の前線の一部では、ロシア軍の空てい部隊の戦力が不足し、反撃できていない可能性があるという見方を示しています。

ゼレンスキー大統領 東部の前線を視察 部隊を激励

反転攻勢を続けるウクライナのゼレンスキー大統領は3日、東部ハルキウ州クピヤンシクからドネツク州リマンにかけての前線を訪問したとSNSで明らかにしました。

ウクライナ大統領府は、この地域ではロシア軍が日々攻撃を仕掛け「最も激しい戦闘地域の一つ」だとしていて、ゼレンスキー大統領は部隊の司令官から作戦状況について報告を受けたということです。

また、ゼレンスキー大統領が部隊の兵士を激励する様子も公開され、ロシア軍との攻防が続く中、激戦地の兵士たちの士気を高めるねらいがあるとみられます。

一方、ロシアのショイグ国防相は3日、首都モスクワで幹部との会議をオンラインで開き「参謀本部は追加の動員を計画していない。ことしに入ってから33万5000人以上が志願するなどして兵役に就いた。先月だけで5万人以上が兵役の契約を交わした」と述べ、必要な数の軍人がいると強調しました。

旧ソビエトのアルメニアがICC加盟へ

旧ソビエトのアルメニアのメディアによりますと、アルメニア議会は3日、ICC=国際刑事裁判所の加盟に必要なローマ規程の批准について、賛成多数で可決しました。

ICCはことし3月、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領に対して逮捕状を出していて、アルメニアが今後、ICCに加盟すれば、プーチン大統領が入国した際に、逮捕や引き渡しの請求に応じる義務を負うことになります。

アルメニア側の動きに対して、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、3日「不適切な決定だ」と批判し、アルメニア政府に説明を求めていくと強調しました。

G7とウクライナ周辺国の首脳らが電話会議

ロシアによる軍事侵攻をめぐり、G7=主要7か国とウクライナ周辺国の首脳らが電話会議を開きました。

電話会議は、アメリカのバイデン大統領の呼びかけで、日本時間の3日夜開かれ、岸田総理大臣を含めたG7各国首脳のほか、ウクライナの隣国のポーランドやルーマニア、それにEU=ヨーロッパ連合の首脳らも出席しました。

会議では、ロシアによる軍事侵攻をめぐる最新情勢について意見を交わし、一日も早く公正かつ永続的な平和を実現するため、同志国が結束してウクライナ支援を続ける必要があるとの認識で一致しました。

また岸田総理大臣は、来年はじめにウクライナの復興に関する会議を開くことなど、日本として進めている取り組みを説明するとともに、ことし5月の広島サミットでの議論を土台に、ゼレンスキー大統領による平和実現への対応を支えていく重要性を重ねて訴えました。